土屋ホールディングス(本社・札幌市)は3月31日、札幌グランドホテルで太陽光発電事業セミナーを開催した。同社が札幌市の「サッポロさとらんど」隣接地で建設していたメガソーラー施設「土屋ソーラーファクトリー札幌」が21日に発電開始したのを記念したセミナーで、企業向けに遊休地や屋根を利用した太陽光発電のメリットを伝えるのが目的。中小企業経営者や大企業の担当者など67人が参加した。(写真左は講演するアーキテクノの藤原輝治常務。写真右はセミナー終了後に行われた質疑応答)
セミナーでは、最初に『土屋ソーラーファクトリー札幌の概要と今後の展望』を土屋グループのアーキテクノ藤原輝治常務が説明。メガソーラー施設を建設したさとらんど隣接地は、北西の風が強くパネルが強風に耐えられるような架台設計が必要だったと報告、「積雪の影響を受けないように架台の高さは1m50㎝、パネルの角度は雪の反射光も利用できるように40度にした。地盤や風向き、太陽の位置、さらに近隣の住環境への影響などを総合的に勘案したコンサルティングができる」と述べた。そのうえで、「電気料金の値上げも予定され、太陽光発電施設を持つ企業は効果が大きい」とした。
続いてソーラーフロンティアの代理店営業本部住宅事業部販売グループの塩野真一氏が『全量買取制度を利用した太陽光発電設備』をテーマに話し、「50kW以上からMWクラスの太陽光設備は北電の受け入れキャパシティーが問題になっており今後はメガソーラー施設案件の建設は難しいのではないか。10~50kW未満の設備なら買取価格もkWh当たり税込み38円で費用対効果は高い」とアピールした。
また、朝日税理士法人社員税理士の高嶋寿氏は『産業用太陽光発電の税制取扱い』と題して説明。即時償却に税額控除制度など税制面から太陽光発電施設の投資負担を軽減する方法などについて解説した。
最後に土屋ホームトピア菊地英也社長がトピア本社の屋上と壁面に設置した太陽光発電施設の事例を紹介、「2・1kWの設備導入に2000万円を投じグリーン税制で30%償却したので12年目以降からペイするようになり毎年100万円ずつの利益になるだろう」と具体例を述べ、「晴天時なら本社事務所で1日使う電気を賄える」と語った。
菊地社長は、「太陽光発電はクリーンエネルギー利用企業として社会貢献や非常時、災害時のバックアップにも使える。また、実際の収益にも繋がりイメージアップという宣伝効果も高い。導入を考えるのなら“今でしょう”」と参加者に訴えていた。