丸井今井函館店(函館市本町32-15)が、数年後には百貨店事業から撤退、建て替え再開発によって商業施設を含む複合ビルに生まれ変わるもようだ。2年ほど前から親会社を含めて検討しているようで、市内経済界では百貨店事情の撤退は、既定路線と受け止められている。(写真は、丸井今井函館店)
丸井今井函館店は、三越伊勢丹ホールディングス(本社・東京都新宿区)の子会社、函館丸井今井(同・函館市)が運営。元々は、北海道地場資本の丸井今井(同・札幌市中央区)の前身が、1892年に「函館丸井今井呉服店」としてスタートしたのがルーツ。1923年に百貨店事業を開始、1969年に本町に移転新築、現在に至っている。敷地面積は約4000㎡、鉄筋コンクリート造、地下1階、地上7階建て、延べ床面積は約2万5500㎡。
2009年に丸井今井が民事再生により、三越勢丹HD傘下に入り、札幌の丸井今井本店は札幌三越と合併して札幌丸井三越に、丸井今井函館店は函館丸井今井が運営する体制になった。
丸井今井函館店の業績は、コロナ禍を経て回復傾向にある。2021年3月期は4600万円の純損失、2022年3月期は8100万円の純損失だったが、2023年3月期は900万円の純利益を計上している。三越伊勢丹HDは、地方子会社を含めた全店黒字化を目指し、安定黒字化の後に店舗面積の適正化と不動産価値向上を進めていく戦略。
そうした中で検討されているのが、現在の丸井今井函館店を建て替えて高層化し、低層階は商業施設、上層階はマンションなどにする方向。市内経済界では、こうした動きは既定路線と受け止められている。函館市では、2003年8月に函館西武、2019年1月に棒二森屋が閉店しており、2023年8月にはテーオーデパートが閉店する。