2~3年のうちに札幌に「伊勢丹」の冠がついた中型デパートが登場しそうだ。JR札幌駅周辺の「駅近」の既存商業ビルが出店候補先で札幌のデパート地図を変えた「大丸札幌店」への三越伊勢丹グループの反転攻勢が始まる。伊勢丹5(写真は、伊勢丹新宿本店)

 三越伊勢丹ホールディングス(HD、本社・東京都新宿区)は、今年9月に名古屋の「大名古屋ビル」のテナントとして店舗面積3000㎡の中型店「イセタンハウス」を出店する。ファッションや雑貨、化粧品などに特化した中型デパートの位置づけで、同社は今後3年間で同様の中型店を全国5ヵ所に出店することを明らかにしている。
 
 三越伊勢丹グループとしては、丸井今井と三越がある札幌も中型店出店の候補地で北海道新聞も15日付け1面トップで《「伊勢丹」初の道内出店》を報じた。道内のテレビ局も伊勢丹進出を報じ、札幌市民や道民の期待が高まっている。
 
 今後2~3年の早いうちに実現するのは間違いなく、出店候補地として挙げられているのがJR札幌駅周辺。丸井今井と三越が大通ゾーンを固めており、大丸の牙城となっているサツエキで新規巻き返しを図るのは当然の選択。
 
 札幌のデパート業界は2000年ころまで地元の丸井今井が地域一番店として君臨したが、バブル期の過大投資で徐々に失速、2003年3月の大丸進出が丸井今井の息の根を止めた。伊勢丹と提携していた関係から三越伊勢丹HDが再建スポンサーとなってグループ化されたが、今では大丸1店舗の売上高が丸井今井と三越の2店舗合計と肉薄、わずか10数年で大丸天下にデパート地図は激変。
 
「伊勢丹」の札幌出店は、「札幌を諦めない」という三越伊勢丹HDの強い意志と言えそう。かつて繰り広げられた大通VS駅前のデパート戦争は、サツエキ戦争へと変化していきそうだ。
 ともあれ、札幌市民は「マチに活気が出るので待ち遠しい。新幹線も札幌に延伸されるのでそれにふさわしい駅前になると良いですね」と話していた。


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