カブトデコムが28日に解散決議の臨時株主総会を開催、バブルの亡霊企業がRCCへの残債務6億円を焦げ付かせて”幕”

経済総合

 カブトデコム(本社・札幌市)は28日に解散を決議する臨時株主総会を開催する。同社はバブル崩壊以降に目だった業務を行っていなかったが、米国子会社カブト・インターナショナル・コーポレーションからの資金支援で整理回収機構(RCC)への返済を行ってきた。しかし、債務超過額が5060億円を超え、米国子会社もリーマンショックの影響で業績が悪化、資金支援を受けられなくなったため解散することにした。RCCへの残債務6億円が焦げ付くことになる。
 
 カブトデコムは1971年に設立された兜建設が前身。88年に現社名になり建設事業、開発事業、リゾート事業、海外事業を推進、90年には株式の店頭公開も果たした。
 
 メーンバンクの北海道拓殖銀行のインキュベーター(新興企業育成)路線に乗り業容を拡大、ピーク時に拓銀子会社を含めたカブトグループの借入総額は4000億円にものぼっていた。バブル崩壊でカブト向け債権は不良化し、拓銀破綻の大きな要因になったことは周知の事実。
 
 カブト向け拓銀債権を引き継いだRCCの債権額は約3500億円だったが、2002年に返済額を総額で約52億円とし8年間の分割返済で合意していた。
 
 カブトは、国内での事業を縮小し米国子会社を通じた不動産開発に傾斜、この子会社からの資金支援でRCCへの返済や運転資金を賄ってきた。
 しかし、米国子会社が08年のリーマンショックの影響を受け業績が悪化、支援が滞りRCCへの返済も中断し運転資金確保も望めなくなったとして昨年12月末の取締役会で解散決議をしていた。
 
 同社の発行済み株式総数は2759万株。創業者で現会長の佐藤茂氏が15・29%を持つ筆頭株主。株主数は金融機関も含めて1995人。社長を務めていた神田隆夫氏は昨年5月死去し現在は平田英二氏が社長を務める。
 
 28日に開催する臨時株主総会で解散を決め、清算人に同社顧問弁護士の安田好弘氏、監査役に西田理英弁護士(第二東京弁護士会所属)をそれぞれ選任する。

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