トライアルカンパニー(本社・福岡市東区)が、札幌市手稲区新発寒1条1丁目1118-1ほかで出店を予定しているディスカウントストア「スーパーセンタートライアル新発寒店」の建設が、着々と進んでいる。既に外観が整い、今後は内部造作工事に入るものとみられる。オープン予定日まで4ヵ月を切り、完成に向け現場の緊張感がさらに増していく。(写真は、建設が着々と進んでいる「スーパーセンタートライアル新発寒店」)
出店場所は、JR函館本線の北側を走る鉄工団地通沿いだが、スーパーの立地環境として良好とは言い難い。鉄道で南北が分断されており、道道128号線(追分通)の跨線橋があるものの、店舗は西側の橋畔に立地するため、車では跨線橋を渡ってすぐに入ることができず、遠回りをしなければならない。
周辺には戸建て住宅が立ち並んでおり、買い物需要は手堅く見込めるが、アクセス環境は道内のトライアル店舗の中でも最悪に近い。こうした立地環境の中で店舗進出を決断した背景には、トライアルカンパニーのしたたかな出店戦略があるようだ。
例外はあるものの、トライアルは便利より不便な立地、近くよりも遠くの立地を選ぶ傾向にある。ディスカウントストアという業態から、日常的な買い物客以上に遠くからの買いだめ客の利用を想定している。つまり、わざわざトライアルに行く環境をつくることも、出店の狙いの一つになっている。
「スーパーセンタートライアル新発寒店」のすぐ近くには、オリックス(東京本社・東京都港区)が手掛けたショッピングセンター「クロスモール新発寒」がある。こちらの便利さと対照的なこの店舗は、トライアルのこうした出店要素を盛り込んだ逆張りの店舗と言えそう。オープン予定の6月5日以降、買い物客の流れはどんな変化を見せるか、トライアルの真価も試されそうだ。