「離島キッチン札幌店」閉店で大正15年建造の石蔵はどうなる

社会・文化

 大正15年に建てられた、札幌軟石の石蔵を利用した「離島キッチン」(札幌市北区北11条西1丁目1-25)が11月30日に閉店したことで、石蔵の行方がどうなるか、関心を呼んでいる。(写真は、「離島キッチン札幌店」が入っていた石蔵)

 この石蔵は、大正年間にこの場所にあった長山味噌醤油醸造場のもろみ蔵だったという。創成川沿いに残る札幌の産業遺跡とも言えるような存在。廃業後の味噌醤油醸造場跡地には5階建てマンションの長山ビルが3棟建ち、石蔵も新宿中村屋の札幌営業所として使われていた。2016年頃に、長山ビルは解体され、大和ハウス工業の分譲マンションが建設された。石蔵は、リノベーションされ、2017年9月から、NPO法人利尻ふる里・島づくりセンター(利尻郡利尻町)が、「離島キッチン札幌店」を展開。

「離島キッチン」は、島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)が中心となって、全国30の島々と連携して立ち上げた離島のアンテナショップ。「神楽坂店」(東京都新宿区)、「福岡店」(福岡市中央区)に次ぐ3店舗目として「札幌店」がオープン、北海道の6つの離島の郷土料理の提供や旬の食材販売などを行っていた。

 しかし、コロナ禍で2020年7月に「福岡店」、2021年12月に「神楽坂店」が閉店、「札幌店」も閉店を余儀なくされた。この石蔵の所有者は、長山味噌醤油醸造場の系譜を継ぐ長山開発(東京都渋谷区)の代表者。創成川沿いに残る札幌の産業遺跡とも言える石蔵は、果たしてどうなるのか。

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