家電量販・北海道戦略に差異、ケーズは新規出店を継続、ヤマダは業態転換を優先

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 家電量販店の北海道戦略に差異が際立ってきた。新規出店を続けるケーズデンキ、既存店舗の業態転換を積極化するヤマダデンキ。かつて道内で圧倒的に店舗数が多かったヤマダデンキだが、ケーズデンキはひたひたと迫り、11月中にオープンする「ケーズデンキ旭川春光店」(旭川市春光1-7)でその差は5店舗に縮まる。(写真は、11月中にオープンする「ケーズデンキ旭川春光店」)

 ケーズデンキは、北海道で積極出店を続けている。2019年11月に「帯広音更店」(河東郡音更町)で十勝圏に初進出、2020年11月に「平岸店」(札幌市豊平区)、2022年10月に「苫小牧西店」(苫小牧市)を出店、さらに同年11月には「旭川春光店」をオープンさせる。

 一方、ヤマダデンキの新店投資は、ここ数年止まっており、既存店舗の業態転換が中心。2021年6月に「家電住まいる館YAMADA札幌本店」(札幌市中央区)を新業態の「Tecc LIFE SELECT札幌本店」に転換したほか、2022年2月には「家電住まいる館&YAMADA web.com旭川店」(旭川市)を「Tecc LIFE SELECT旭川店」に、「ベスト電器旭川本店」を「ヤマダアウトレット旭川店」に転換した。

 さらに、同年3月には、「ベスト電器函館店」(函館市)を「ヤマダアウトレット函館店」に転換、同年6月には「家電住まいる館&YAMADA web.com札幌清田店」(札幌市清田区)を「Tecc LIFE SELECT札幌清田店」に転換している。

 ケーズデンキは「ケーズデンキ」業態のみの出店だが、ヤマダデンキは「テックランド」、「ヤマダアウトレット」、「家電住まいる館YAMADA」「Tecc LIFE SELECT」と4業態に及んでいる。店舗数を比較すると、10年ほど前は、ケーズデンキとヤマダデンキは10店舗以上の開きがあった。今度の「ケーズデンキ旭川春光店」でケーズデンキは33店舗になり、38店舗のヤマダデンキとの差は5店舗に縮まる。家電量販で突っ走るケーズデンキ、家具・生活雑貨も扱う総合生活量販に切り替えつつあるヤマダデンキ、戦略の違いはどのような結果をもたらすか。

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