新さっぽろ駅周辺が大きく変貌するプロジェクトが進められている。駅北側のI街区では、タワーマンションやホテル、商業施設、医療施設の建設が佳境に入っているが、そこに空中に浮かぶ円形構造物が出現した。変わる札幌副都心を象徴する景観が一足先に広がっている。(写真は、新さっぽろI街区の出現した「アクティブリンク」)
千歳線のルート変更に伴い1973年に開業したJR(当時は国鉄)の「新札幌駅」に端を発し、1977年の「サンピアザショッピングセンター」開業、1982年の地下鉄東西線「新さっぽろ駅」開業、1992年の「新さっぽろ駅ターミナルビル」開業と変貌を遂げてきた新さっぽろ駅周辺地区。今回の大和ハウス工業(本社・大阪市北区)を中心としたプロジェクトは、次の50年に向けて街全体のリニューアルを図るものだ。
かつて市営住宅が建っていたのどかな郊外といった趣は一変している。タワーマンションや商業施設、ホテル、医療施設の建設が着々と進み、新しい街並みが日々姿を現し始めている。そんな中で、出現したのが空中に浮かぶ円形構造物。
この構造物は、各建物の2階部分を結ぶ屋内空中歩廊で、正確には円形でなく楕円形をしている。札幌市内でも空中歩廊は珍しくないが、いずれも直線的なもので、今回のような楕円形の空中歩廊は市内初登場となる。「アクティブリンク」と名付けられ、それぞれの建物の機能を有機的に結び付ける役割を持つ。街づくりは、高さを追求する縦の発想が主流となる中、連携に繋がる横の発想を組み入れた「アクティブリンク」は新しい街づくりのヒントを示す。
JR「新札幌駅」、地下鉄「新さっぽろ駅」からは、別の空中歩廊で「アクティブリンク」と接続される予定で、両駅から季節や天候に左右されないアクセスが実現される。上から見るとビルの谷間に浮かんでいるように見える「アクティブリンク」、活躍が始まるのは1年後。生まれ変わる新さっぽろ駅周辺地区を象徴する場所になりそうだ。