札幌や苫小牧で4月から6月にかけて高級食パン専門店3店舗が、相次いで出店する。高級食パン専門店の北海道1号店だった「乃が美はなれ札幌店」(札幌市中央区)が2月に閉店したことで、ブームは踊り場に来たとみられているが、北海道では閉店と開店が同時並行で進む斑(まだら)模様の高級食パン市場になってきた。(苫小牧市に2号店を出す恵庭市の「め組の庭」=写真は2021年4月8日のプレオープン時)
(写真は、人手不足を理由に閉店した「乃が美はなれ札幌店」)
4月中にオープンするのは、札幌市北区の「札幌パン北24条工房」と苫小牧市の「め組の庭 苫小牧店」。「札幌パン北24条工房」(北24条西5丁目H24ビル1階)は、ゴム製品メーカーのミツウマ(本社・小樽市)が、高級食パン専門店を展開するJIP(同・石川県金沢市)とFC(フランチャイズ)契約を結んで展開している高級食パン専門店の2号店。1号店は、昨年11月にオープンした「札幌パン琴似工房」(西区琴似2条4丁目1-3)で、早くも2号店を出店する。
「め組の庭 苫小牧店」(緑町2丁目8-5、ツチダビル1階)は、高所作業を行う鳶(とび)の専門会社ニナイテック(本社・恵庭市)が昨年4月に、ベーカリープロデューサー岸本拓也氏の支援を受けて開業した高級食パン専門店「め組の庭」(恵庭市)の2号店。岸本氏の支援を受けて開業した高級食パン専門店は、単店で展開するケースが多く、今回のように同一ブランドで2号店を出店するのは珍しい(※2020年9月に岸本氏の開業支援で帯広市にオープンした「大地はドラムと優しい麦」も今年5月に釧路郡釧路町に2号店を出店予定)。
6月中旬にオープンするのは、札幌市手稲区の「パティシエパン星置店」(星置1条3丁目3-10、1階)。こちらは札幌でイタリアンダイニングとやイタリアン酒場、海鮮炉端、居酒屋などを展開するgcompany(同・札幌市北区)がFC展開する予定。
北海道の高級食パン専門店は、2017年9月に出店した「乃が美はなれ札幌店」(南2西27)が先鞭をつけ、以降、「乃木坂な妻たち」、「嵜本」、「ベーカリー・ワンカラット」、「銀座に志かわ」、「HARE/PAN」、「LA・PAN(ラ・パン)」などが相次いで出店、札幌を中心に高級食パン市場が生まれている。こうした中で、「乃が美はなれ札幌店」が人手不足を理由に今年2月に閉店、市場の飽和感も漂い始めた。北海道の高級食パン市場は、開店と閉店とが入り乱れる斑模様の様相を呈してきた。