北方ジャーナル2月号発売! 今月のトップは、「飲み逃げ指摘に“逆ギレ”した女性警察官」

マスコミ

「北方ジャーナル」2022年2月号が本日15日から店頭に並んだ。今月のトップは、本誌が独占的に追っている道警不祥事シリーズ「飲み逃げ指摘に“逆ギレ”か 女性巡査の傷害、発表せず」だ。初対面の男性と飲食をともにして食事代の支払いを拒否、咎められると逮捕術まがいの暴力で相手を“制圧”し、怪我を負わせて逃走した──。昨年暮れに報じられたその事件は、今に到るまで公式には発表されていない。地元報道の取材に、警察は犯行態様を過少に説明、被害者代理人がこれに反論の声を上げる事態に。事件を起こしたのは「スーパーの店員」を名乗る20歳代の女性。本当の職業は、警察官だった。(画像は、北方ジャーナル2月号の表紙)

 本誌が継続的に報じてきた砂川の“クマ撃ち”が理不尽な理由で銃所持を取り消された事件に大きな展開が訪れた。「社会通念に照らして著しく妥当性を欠き、裁量権を濫用したものと言わざるを得ない」──。このほど札幌地裁は、自治体の要請でヒグマを駆除したハンターから銃を取り上げた地元公安委員会措置をはっきり「違法」と断定。これにより各地の獣害対策が正常化するかに思われたが、完膚なきまで潰された筈の被告がその結果に水を差し、争いは高裁に持ち込まれることに。駆除の担い手を狙い撃ちにする当局にはどんな目的があるのか、その真意はもはや測りようもない。

 1年前から報じてきた深川市立病院幹部の「野球幹線チケット授受疑惑」にも注目。このほど深川市は調査委の最終報告の中で「業者からのチケット授受はなく入札の不正も見当たらない」としたうえで12月下旬、関係者2人にあらためて「戒告」の懲戒処分を科した。だが、その理由は調査委が認定した職員のチケット要求行為ではなく「職場のコミュニケーション不足」という意味不明なものだった。山下貴史市長が号令をかけた全容解明は「大山鳴動して鼠一匹」の結末になってしまうのか。

 北海道高等看護学院問題の続報も見逃せない。複数の教員の関与が認定されたハラスメントだが、中心人物とされる江差看護学院の現副学院長は11月から勤務地を保健所に移したにもかかわらず、今後もその職を解かれず教務担当の副学院長に留まり続けることがわかった。12月には専任の学院長が着任するなど人事の刷新は進んでいるものの、最も強く待たれる学生たちの救済の道はまだ見えてこない。告発3年め、被害の回復はどこまで遠のくことになるのか。

「泊村在住の新人・瀬尾英幸氏が神恵内村長選に出馬へ」は本誌のスクープ。高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の最終処分場の選定に向けた文献調査が進む後志管内の神恵内村で任期満了に伴う村長選が2月22日告示、27日投開票の運びとなっている。同村長選には現職で6選を目指す高橋昌幸氏(71)がすでに出馬を表明。対抗馬擁立の動きがなく無投票の公算が大きかったが、7年前に泊村に移り住み泊原発の廃炉に向けた活動を続ける瀬尾英幸氏(79)が出馬の意向を固めたことが分かった。「文献調査に反対している住民のためにも声をあげなくては」と語る瀬尾氏の決意とは。

 北海道新幹線の札幌延伸に伴う札樽トンネル(小樽―札幌=26・2キロ)の掘削工事で発生する、ヒ素などの重金属が環境基準を超える「要対策土」の受け入れが昨年12月13日から札幌市手稲区山口地区の一般産業廃棄物処分場(山口処理場)で始まった。だが、先立つ10日には住民団体が「住民の意思を無視している」などと秋元克広市長に搬入中止と公開討論会の開催を申し入れ、市側と対立が続いている。本誌の取材に市新幹線推進室は「山口地区での受け入れについては、地元説明会などを重ね議会でも論議してきた。対策方法についても十分に説明しており、申し入れには応じられない」と回答。ヒト、モノ、カネが動くと期待される新幹線だが、建設に伴う負の側面も否定できない。先月に続き要対策土の受け入れ問題を追った。

 このほか今月は「2022 道東・根室特集」に掲載した石垣雅敏市長のインタビューにも注目。コロナ禍に向き合う中で、いち早く希望者全員へのワクチン接種を終え、市外在住のサンマ漁船乗組員への接種にも取り組んだ根室市。最近では18歳以下を対象にした10万円給付のスピーディーな実施など、同市の細やかで迅速なコロナ対応は全国的な話題にもなった。ふるさと納税が全国3位の人気を誇る一方で、一昨年からビザなし交流や共同経済活動が中断されるなど北方領土返還に向けた課題も山積している。

 本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル2月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。
※2月号主要コンテンツ
【報道】
■道警不祥事から考える〈54〉──飲み逃げ指摘に“逆ギレ”か女性巡査の傷害、発表せず
■狩人、銃を奪われる〈6〉──ヒグマ駆除ハンター全面勝訴、完敗の公安委はまさかの控訴
■告発・絶望の学府〈10〉──江差看護・パワハラ告発3年め、人事先行、救済は弁護士対応へ
■21世紀の人質司法〈2〉──違法取り調べで国賠提訴。密室の捜査、無法地帯か
■“核のゴミ”レポートPART28──文献調査が進む神恵内村で「核反対」を訴える88歳の闘い
■泊村在住の新人・瀬尾英幸氏が文献調査に反対を掲げ神恵内村長選に出馬へ
■北海道新幹線建設残土問題〈2〉──要対策土の受け入れをめぐり“強行搬入”と住民団体が抗議

【ニュース】
■深川市立病院幹部の「チケット授受疑惑」で関係者2人に戒告処分
■「安全で安心な病院に」遺族訴え新人看護師パワハラ死訴訟終結
■初弁論で当事者ら法改正求める「結婚の自由」札幌訴訟、控訴審
■PKO派遣違憲確認訴訟が結審自衛官家族の訴え、3月判決へ
■札幌冬季五輪への率直な意見求める市と市民の対話事業1月から本格化
■スポーツ庁創設の優良自治体表彰で北見のカーリングまちおこしが選出

【社会】
■予算不足に苦しむ小樽市犬管理所【5】──譲渡先で第2の幸せを見つけた犬たち

【2022 道東・根室特集】
■石垣雅敏根室市長に訊く「迅速かつ細やかなコロナ対応 好循環を生むふるさと納税」
■元島民が語る北方領土への思い「‏交流事業の再開に向けて地元が求める政府の熱意」
■元島民二世が語る返還運動への思い「島への思いを引き継ぎ活動 岸田総理の領土視察を熱望」
■Topics 根釧地域の企業をAIで後押し 大地みらい信金と調和技研が包括連携協定

【医療】
●現在地で新築建替へ。最先端の病院に生まれ変わる札幌心臓血管クリニック

【地域】
●日高山脈を「宝の山」にするべく地元経営者団体が奮起 〝国立公園化〟に向け地域振興策を提言

【交通】
●HAPによる新千歳空港駐車場一括運営で利用者の利便性が大幅に向上

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(77)─ピアスタッフ座談会「上手くいかない不安を抱えて社会にどう身を置くか」
●戦争遺産をめぐる旅(78)─巨大な地下軍事工場だった栃木県宇都宮の大谷資料館

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