星野リゾート(本社・長野県北佐久郡軽井沢町)はきょう2022年1月14日、白老郡白老町のポロト湖畔に「界ポロト」(若草町1-1081-94)を開業する。同社が展開する温泉旅館ブランド「界」の19施設目で、北海道では初の「界」ブランド旅館。日帰り観光客が中心だった白老町に宿泊観光客を呼び込む。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、ラウンジから見えるとんがり屋根の湯小屋)
(写真は、特別室の客室)
「界ポロト」は、「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」をコンセプトに、ポロト湖の湖水を引き込んだ湖畔に佇み、アイヌ文化をモチーフにした建物が特徴。ポロトコタン(アイヌ民族の集落)をイメージした宿泊棟は、客室に繋がる廊下が森の小道のように壁が波打つようなアクセントになっており、客室はチセ(アイヌ民族の住居)から着想した設計。
アイヌ文化のデザインを取り入れた家具や壁紙、クッションが使われ、アート作品も飾られているほか、天然石を貼り合わせた四角のテーブルは炉をイメージしている。特別室には、露天風呂も設置した。客室は4タイプ全42室で、すべての客室からポロト湖と樽前山を眺めることができる。
温泉は、天然植物由来の有機質を含有した茶褐色が特徴の「モール泉」。湯小屋は、アイヌ民族が狩りをする際に建てた小屋「ケトゥンニ」を模し、内部は丸太組の三脚構造、外部は藁を模した銅板で葺かれている。内風呂と繋がっている露天風呂は、ポロト湖にせり出しており、湖との一体感が楽しめる。洞窟をイメージした浴場もある。
食事処は、木を多用した半個室となっており、北海道の食材を生かした会席料理で、特別会席にはブイヤベーススープの「毛蟹とホタテの醍醐鍋」を提供する。また、ラウンジでは、ご当地文化を体験する「ご当地楽」として、アイヌ民族が魔除けとして日常的に身に着けていた植物「イケマ」を使った魔除けのお守りづくりが体験できる。
「界ポロト」には、トドマツ丸太470本、白樺丸太650本のほか、カラマツ羽目板張り、杉羽目板張りなど、木材を豊富に使っている。星野リゾートは、2018年6月に白老町とパートナーシップ協定を締結しており、ポロト湖岸から2mの範囲は、湖の管理のために使うことを条件にするなど町の協力を得て開発した。
敷地面積は約3019坪(9963㎡)、建築面積約610坪(2015㎡)、地上4階建て、延べ床面積約1486坪(4906㎡)。設計はNAP建築設計事務所(東京都港区)、施工は前田建設工業(本社・同都千代田区)。2020年5月に着工し、2021年10月に竣工した。建築主は、日本政策投資銀行を中心としたSPC(特別目的会社)で、星野リゾートは運営を担う。宿泊料金は2万8000円より。
(写真は、ポロト湖に面した建物)
(写真は、正面の入り口)