APECの日露カニ密漁・密輸防止協定で来年からはロシア産カニの輸入量激減、カニ取扱い業者を襲う最大危機

農業・水産業

 ロシアからのカニ輸入が激減している。道東のある港では、現在、カニの輸入量は年間約4~5000トンで最盛期の2万トンの4分の1程度。道東の漁業関係者がさらに神経を尖らせているのが今年9月にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で締結された日露の漁業協定。これによって密漁・密輸対策がより強化され、ロシア産カニの輸入は一層厳しくなると見られている。

 
 今年9月、ロシアのウラジオストクで開催されたAPECで締結された日露間のカニ密漁・密輸防止協定。これによって、ロシアの産地証明のないカニは輸入できなくなる見通し。
 
 現在、日本に輸出するカニの漁獲割り当ては決まっているものの、実際にはそれ以上の量が流入している。港では漁船に積んだ船では入港できないため、ブラジルなどの国籍を持つ運搬船を使って入ってきているのが実情。
 
 しかし、資源保護の観点などから、ロシア側は密漁、密輸対策を強化、日露間でより厳しい防止協定を締結することになった。
 道内のカニ取扱い関係者は、「ただでさえ輸入量が激減しているのに、この協定によって来年からはさらに輸入量は絞られるだろう。カニを取り扱っている業者で転業できるところはまだしも、廃業、倒産という事態が避けられないだろう」と言う。
 北海道の漁業にまた一つ暗い影を投げかけそうだ。

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