札幌の今、解体ノート⑰中央区南2条西5丁目「旧ウインズ札幌B館」

不動産マーケット情報

 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の17回目は、札幌市中央区南2条西5丁目の旧「ウインズ札幌B館」。(写真は、解体工事に入っている旧「ウインズ札幌B館」=真ん中の建物)

 狸小路商店街の5丁目にあったJRA(日本中央競馬会、東京都港区)の場外勝馬投票券発売所「ウインズ札幌B館」。ビルの正式名称は、「狸小路5丁目センタービル」で1979年に竣工。以来JRAが賃借して42年間にわたり、「ウインズ札幌A館」(南3条西4丁目)とともに競馬ファンに親しまれてきた。両建物の老朽化により、JRAは「ウインズ札幌A館」をスクラップ&ビルド、両拠点を集約して2021年5月に地下2階、地上7階の新「ウインズ札幌」をオープンさせた。

 これに伴い、JRAの「ウインズ札幌B館」の賃借期間が終了、1階に入っていた「そば処くわじま」や土鍋ハンバーグ「北斗星」、「カレー道場黒帯」も6月末までには閉店、商店街の守り神「本陣狸大明神社」も仮住まいに移転して、夏以降は空きビル状態になっていた。

 土地建物を所有するファイブスター札幌(本社・札幌市中央区)は、このほど建物の解体撤去工事を開始した。敷地面積約400坪(約1320㎡)、建物は地下1階、地上6階、延べ床面積約2076坪(6851・92㎡)。解体撤去工事を手掛けるのは、日本建設(同・東京都文京区)札幌支店(札幌市中央区)と本間解体工業(本社・同市西区)。工事期間は2022年12月末まで約1年間に及ぶ。

 解体後には、商業施設を含む複合建物の建設が予定されているが、詳細は不明。狸小路商店街の一時代を築いてきた建物は、生まれ変わってどんな息吹を同商店街に吹き込むだろうか。ちなみに新しい建物の完成後には、「本陣狸大明神社」も戻ってくる予定という。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER