札幌・南2西2「紅屋」跡の塩漬け土地、フジタが動き出す予兆

不動産マーケット情報

 札幌市中央区南2条西2丁目のカジュアル衣料品店「紅屋」跡などの塩漬け土地に、開発の予兆が出ている。フェンスに覆われてからおよそ5年、このほど一部が取り除かれて、雑草が生い茂った土地が垣間見えている。先週には土地内で作業する人の姿もあった。アフターコロナを見据えた開発が始まるのか。(写真は、フェンスの一部が外された南2西2の塩漬け土地=2021年9月13日午後撮影)

 件の土地は、パチンコ店「ベガスべガス狸小路2丁目店」を核テナントにした金市舘ビルの西隣。南2条通と「紅屋」のあった狸小路商店街に面した“ウナギの寝床”風の細長の土地。面積は約300坪。この土地には、2016年頃までは「紅屋」などが入る低層建物が建っていたが、16年以降は更地になり、フェンスに覆われてしまった。それ以来、塩漬け状態がつい最近まで続いていた。

 土地登記を調べると、税金滞納による差し押さえが何度も繰り返されたことが分かる。1993年には大阪市中央区にある法人所有者の滞納所分の差し押さえで、93年に札幌市が登記名義人になったり、大阪市西区、旧大蔵省、千葉県柏市、大阪市中央区、住宅金融債権管理機構、大阪市北区が差し押さえ、もしくは参加差し押さえするなど99年まで続いた。

 99年に札幌の法人が競売により取得。しかし、2011年6月に札幌市中央市税事務所が差し押さえ、12年12月と14年7月は同事務所が参加差し押さえを行い、落ち着かない展開が繰り返された。そして、15年6月に総合不動産サービスを行っているザイマックス(本社・東京都港区)が取得。同社主導による開発が進むかと思われたが、動きがないまま歳月は過ぎていった。ちなみに同社は、18年1月「からくさホテル札幌」(南3条西5丁目)をオープンさせている。

 このまま塩漬けが続きそうな中、20年10月に大和ハウス工業(本社・大阪市北区)グループで総合建設業のフジタ(同・東京都渋谷区)が土地を取得した。それから10ヵ月、開発の予兆が現れてきた。予兆は現実になるのか、市民の期待が高まっている。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER