北海道経営未来塾で安倍晋三前首相「秋、政府・日銀でデフレ懸念払拭の大きなショットを」

経済総合

 北海道の若手経営者に気づきの場を設けて自ら成長してもらうことを目指した北海道経営未来塾(塾長・長内順一未来経営研究所社長)は20日、札幌市中央区の札幌パークホテルで安倍晋三前首相を講師に招いた特別講座を開講した。安倍氏は、第6期の塾生約30人の前で、首相時代に取り組んだ経済政策“アベノミクス”の狙いやコロナ下の経済対策について約25分間話した。(写真は、北海道経営未来塾で講演する安倍晋三前首相)

 2012年末に政権を奪還して発足した第2次安倍政権は、日銀との異次元緩和など“アベノミクス”で、デフレ不況に苦しむ日本経済を成長路線に戻すことを進めた。安倍氏は、「政府と日銀が目標を共有して、それに向かって政府と日銀が協力していくのは当然のこと。政治における経済の最大の責任は、働きたい人が働ける経済をつくること。人口減少下でも女性や65歳以上の働きたい人が働けるような環境を整備して雇用を創出してきた」と述べた上で、「高齢社会に入り、増大する社会保障費を賄うには経済の成長が不可欠。成長をあきらめてはいけない。成長をあきらめた国には未来はないと思う。未来は定められたものではなくて、今私たちが何を考え、何をやるかにかかっている」と訴えた。

 コロナ下の経済について、「北海道はインバウンドがこういう状況になっているため厳しい状況だと思う。私は、今こそ復活に備えて政府が下支えしていく必要があると思う」と話して、再び政府と日銀の協力について言及。「政府と日銀は連合軍だ。政府の国債を日銀が買っており、政府と日銀は、親会社と子会社の関係だ。今、またデフレに戻ってしまうかもしれない懸念がある。私は、この秋にまだまだ大きなショットによって政府・日銀の連合軍で対応していくことができるだろうと思っている」と述べた。
(写真は、安倍晋三前首相と北海道経営未来塾第6期生らの記念写真)

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