根室市の地場コンビニでセコマグループに入っているタイエー(本部・根室市千島町2丁目)が、生鮮食品、中でも魚介類の販売に力を入れて差別化を図っている。独自の仕入れで価格は100円台が中心。コンビニ激戦地の根室で集客力を高めている。(写真は、100円台の魚介類を販売している「タイエー千島本店」)
根室市内のコンビニは、セコマ(本社・札幌市中央区)子会社の「セイコーマート」が9店舗、セブンーイレブン・ジャパン(同・東京都千代田区)の「セブンーイレブン」が6店舗、「タイエー」が3店舗の計18店舗。「ローソン」や「ファミリーマート」は出店しないが、人口2万5000人の根室市では約1400人に1店舗の割合で、コンビニ店舗同士の競争は激しい。
今年はコロナ禍による観光客の激減や全魚種の不漁による水産業の不振で、コンビニの売り上げも影響を受けている。タイエーも3月以降の売り上げは前年を下回り、8月ごろからようやく客数が戻ってきて前年並みになってきた段階。
そんな中で、タイエーの「千島本店」は、魚介類の販売で集客力を高めている。この日店頭に並べられていたのは、根室産のこまいや宗八かれい、かすべなど。価格はそれぞれ税抜きで115円、180円、140円といずれも100円台という安さ。この他、ほやも6個入り128円で並べられていた。
タイエーの田家徹代表取締役は、「市場で規格外の魚介類を仕入れることで、低価格で販売できるようにしている。ホタテもスーパーで並ぶ価格の3分の1。お客さまが喜んでくれる」と手応えを感じている様子。
タイエーの店舗では、同じセコマグループのハセガワストア(本部・函館市)の看板商品「やきとり弁当」も販売。日本最東端の地場コンビニ「タイエー」には、コンビニの常識に縛られない独自性が詰まっている。