北海道ワインが農業参入、北洋銀、農林中金、日本公庫が8千万円協調支援

金融

 北洋銀行(本店・札幌市中央区)と農林中央金庫(同・東京都千代田区)、日本政策金融公庫(同・同)は、余市郡仁木町で醸造用ぶどうの生産・販売に取り組む北海道ワイン後志ヴィンヤード(小樽市)に協調支援する。融資、出資の総額は8000万円で、同社は土地取得や運転資金に充当する。(写真は、北海道ワイン後志ヴィンヤードへの協調支援発表、左から北洋銀行・安田光春頭取、仁木町・佐藤聖一郎町長、北海道ワイン後志ヴィンヤード・嶌村公宏代表取締役、新おたる農業協同組合・森一義代表理事組合長、農林中央金庫・河本紳常務執行役員=北洋銀提供)

 出資するのは、「ほくよう農業地域活性化ファンド」と「アグリビジネス投資育成」で各1000万円、融資は農林中金と日本公庫が各3000万円。「ほくよう農業地域活性化ファンド」は、北洋銀、日本公庫、北海道二十一世紀総合研究所が共同で組成したファンドで、今回が2号案件。「アグリビジネス投資育成」は、農林中金等のJAグループと日本公庫の出資で2002年10月に設立された農業法人への投資育成事業を行う会社で、2つのファンドが協調出資をするのは道内初で、全国でも珍しいケース。

 北海道ワイン後志ヴィンヤードは、後志管内で醸造用ぶどうの安定生産と新たなGI(地理的表示)ブランドを立ち上げるために北海道ワイン(同)のグループ企業として20年4月に設立された。初年度は仁木町の離農農地や耕作放棄地を取得、21年春に植栽、24年の収穫を目指す。また、22年度には隣接する余市郡余市町で醸造用ぶどうが生産されている土地を承継し、22年秋から収穫を開始する予定。総事業費は1億円になる見込み。

 北洋銀の安田光春頭取は、「3行による協調支援は、川上の一次産業から川中、川下の食品産業をはじめとする関連事業者を総合的にコンサルティングするための3社連携の第一歩になる。今回の出資を通じて農業の課題解決、地域の持続的発展に繋げたい」と話した。

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