札幌市南区で肉戦争が始まるーー食品スーパー「北海市場」を展開するモリワキ(本社・札幌市西区)が、南区川沿5条2丁目の国道230号線沿いにある「川沿店」を25日にリニューアル、品質と価格で定評のある大三ミート産業(同・福岡県田川市)をテナント導入した。肉は食品スーパーの生鮮部門で最も売れ行きの良いカテゴリー。「北海市場」は肉をアピールすることで買い物客を引き寄せる考えだ。
(写真は、「北海市場川沿店」の肉売り場)
「北海市場」は、札幌市内に6店舗を展開する中堅食品スーパー。大手の寡占化が進む中にあって生鮮力をアピール、青果、精肉、水産の品質と価格の値ごろ感を武器に着実な成長を実現している。そんな「北海市場」が力点を置いているのが、肉部門。スーパーの生鮮カテゴリーで肉は断トツの成長を見せており、各社とも今や肉の売り上げが生鮮全体の売り上げを引っ張る原動力になっているからだ。
これまで、肉売り場を自前で展開していたが、2019年11月にオープンした新店の「山鼻店」(中央区)に大三ミート産業を初導入、既存店の「発寒店」(西区)にも20年6月に同社を導入した。「肉は山鼻店全体の売り上げに貢献、発寒店は肉によって相乗効果が出て前年同月比130%と好調」(今野一彦副社長)
その勢いを「川沿店」にも展開させるため、店内の冷ケースの一部交換やレイアウトを変更、肉部門のスペースを拡大して25日にリニューアルオープンさせた。「川沿店」は、2006年6月に旧「ニトリ川沿店」を利用して居抜き出店した店舗。売り場面積は約173坪(約570㎡)。当初は売り上げを伸ばしたが、売り場の特色が薄れて客数が伸び悩んでいた。
19年3月には焼きたてパンの「ボストンベイク」コーナーを取り入れ、客数減に歯止めをかけた上で今回、大三ミート産業を導入、肉をアピールして客数増を図ることにした。併せて店内レイアウトや装飾を変更、水産コーナーを「北海水族館」と表示するなど、子ども連れの買い物客を意識したアミューズ性も盛り込んだ。
(写真は、アミューズ性を持たせた装飾が施された店内)
大三ミート産業は、全国のドラッグストアや食品スーパーの肉部門のテナントとして出店しており、「川沿店」は全国288店舗目。同店周辺は、スーパーが集積しており競争は激しい。モリワキの今野副社長は、「南は定山渓の先からもお客さまを呼び込みたい。品質と価格で満足できる肉にはそれだけの訴求力がある」と話している。
(写真は、25日にリニューアルオープンした「北海市場川沿店」)