ベーカリープロデュースを行っている岸本拓也氏(ジャパンベーカリーマーケティング=横浜市青葉区=代表取締役)が手掛ける高級食パン専門店が20日、帯広市内に登場する。『大地はドラムと優しい麦』と一風変わった名称の店舗がそれ。十勝産小麦や北海道産素材を原料にした帯広では初の高級食パン専門店で、十勝圏での高級食パンの市場が広がりそうだ。(写真は、20日オープンする高級食パン専門店『大地はドラムと優しい麦』の前で記念撮影に応じるエイムカンパニーの佐藤慎吾代表取締役=左とベーカリープロデューサー岸本拓也氏)
(写真は、販売される3種類の高級食パン)
店舗は、帯広市西8条南14丁目1ー1にあり、以前は同様にパン専門店があった建物を居抜きで賃借した。店舗面積は約47坪(156・5㎡)、運営するのは帯広や札幌で居酒屋、ラーメン店など18店舗を展開するエイムカンパニー(本社・帯広市)。同社にとって初のパン専門店の出店となる。
販売するのは、「大地讃頌(さんしょう)」(税込み870円)、「太陽とレーズン」(同1060円)、「とかちー」(同870円)の3種類。いずれも2斤サイズで道産のバターや牛乳、生クリーム、はちみつなどを使用。「とかちー」は、十勝産の小麦「ゆめちから」と「きたほなみ」をブレンド、一晩かけて熟成させ、蓋をしないで焼いており、小麦本来の甘みと道産バターの芳醇なコクが口の中に広がる。
また、「太陽とレーズン」は、大粒の豪州産サンマスカットレーズンを使用、程好い甘酸っぱさが口の中に広がり、コクのある生地とのバランスが良いデザート食パン。3種類合わせて1日200本の販売を目標にしている。店舗内では、食パンの他に北王農林(中川郡幕別町)から直送の道産飼料を使った玉子「米艶」や季節の野菜類も販売する。
(写真は、握手する佐藤氏と岸本氏)
エイムカンパニーの佐藤慎吾代表取締役は、「十勝は小麦王国だが、地元産小麦を使った食パン専門店がなかった。岸本さんの力を借りて食パンや他のパンも手掛け、地元の魅力を発信していきたい」と話した。岸本氏は、「食パンは日常的なもので、それぞれの地域に合った独自のマーケティングが必要。小麦の産地である十勝で地産地消をアピールできる店舗の誕生をうれしく思う」と語っていた。
店舗名の『大地はドラムと優しい麦』について、岸本氏は「5案の中からこれを選択した。大地から産物が生まれ、それがドラムを叩くように自然と調和して街のリズムをつくっていくというように、十勝の自然をイメージして店舗名にした」という。
帯広では、全国で高級食パン専門店を展開している「乃が美」が、2019年8月20日に「帯広店」(西18条南39丁目2ー22)オープンさせており、岸本氏プロデュースの新店舗登場で、高級食パンの市場が活性化しそうだ。
(1日200本の販売を目標にしている=写真、いずれも16日に行われた内覧会で)