サッポロドラッグストアー富山睦浩社長とインサイト浅井一社長が札証の個人投資家向けIRセミナーで経営ビジョンを説明

経済総合

 札幌証券取引所は23日、札証に上場している「サッポロドラッグストアー」と「インサイト」の個人投資家向けIRセミナーを開催、約100人が参加した。サッポロドラッグストアーの富山睦浩社長は「道内で狭小商圏への出店を進めて、売上高1000億円、経常利益50億円を達成したい」と長期ビジョンを示したほか、インサイトの浅井一社長は、債権投資事業や福祉介護事業者との業務提携について紹介、「今後も新しいことにチャレンジしていく」と広告会社の枠を超えた多角化を進める考えを明らかにした。(写真は、講演するサッポロドラッグストアーの富山睦浩社長=左とインサイトの浅井一社長)
 
 サッポロドラッグストアーは、道内でドラッグストア125店、調剤薬局11店の合計136店舗を展開(2012年5月23日現在)。12年2月期の売上高は、440億7100万円で内訳はドラックストア部門が420億7900万円と95%を占め、調剤薬局19億6800万円、不動産賃貸1億2400万円と続いている。
 
 同社では「アクションプラン2014」と呼ぶ中期経営計画を実施しており、最終年度には売上高500億円、経常利益率4%=20億円を目標にしている。
 
 富山社長は、「ドラッグストアは、当社が得意とする狭小商圏マーケットがまだまだ地方にも札幌市内にもある。東急ハンズやロフトのようなバラエティ商品を揃えた大型店や利尻島、浜頓別町に出店したノウハウを活かすなど業態を考えながら店舗展開していく」と出店攻勢を緩めない考えを明らかにした。
 
 同社は、自動発注によるローコストオペレーションの体制を今年中に全店に導入、店舗人員を抑えて販売管理費を縮小して売上高経常利益率4%確保に取り組んでいく。
 
 また、5種のPB(プライベートブランド)を扱っており、中国など海外で生産することでコストを抑え、12年2月期ではインナー(下着)など400SKU(在庫保管単位)に及ぶことも紹介。「PBとして“サツドラ”というドラ焼も2年前から店頭で販売しているが、これが月間3万個も売れているヒット商品になっている」と富山社長は会場を沸かせた。
 
 調剤薬局でも利用者が自宅の近くで処方した薬を受け取ることのできる面調剤体制を構築していく考え。
 
 同社は今年が40周年の節目の年。実際の創業記念日は12月25日だが冬は集客が悪いため、30年前から6~7月に創業祭と称したセールを実施しており、今年も6月16日から7月末までの期間、40周年を記念した創業祭を実施する。
 
 富山社長は、「ヘルス&ビューティ業界で北海道のリーディングカンパニーになり、将来的には道内だけで売上高1000億円、経常利益50億円を目指す」と意欲を示した。
 
 インサイトの浅井社長は、旧来の広告代理店事業と制作プロモーション事業を自社で持っている強みがあることを示し、中堅広告会社が置かれている厳しい環境の中で着実に業績を上げていることを強調。
 
 地域に特化したマーケットリサーチの独自システム「インサーチ」で地域特有の生活、消費、文化に適合した広告展開が可能とし、今年8月には大阪でインサーチシステムを稼動させることを明らかにした。
 
 昨年12月からこれまで定期預金として金融機関に預金していたフリーキャッシュを使った債権投資事業にも進出。同事業を行っている子会社のインベストは、12年6月期の第3四半期(1~3月)で売上高5500万円、営業利益2500万円を計上したことも示した。
 
 また、福祉介護分野での広告プロモーションや同分野での事業機会を見出すため、ウエルネスヒューマンケア(札幌市)と業務提携、「今後も新しいことにチャレンジして良い会社にしていきたい」と浅井社長は集まった個人投資家たちにアピールしていた。

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