「北方ジャーナル」2020年9月号が本日14日、店頭に並んだ。今月のトップは、さる6月に結審した「看護師パワハラ死訴訟」をめぐる動き。7年前の夏、札幌の病院に勤務していた男性看護師(当時34)が自ら命を絶った。強く疑われたのは、吃音があった男性へのハラスメント。労働災害を否定する国を相手に遺族が法廷で闘い始めてから、もうすぐ3年。訴訟は本年6月の証人尋問で結審し、今秋の判決を待つのみとなっている。(画像は、北方ジャーナル9月号の表紙)
感染防止対策の徹底を前提に歓楽街の事業者を支援する全国初の試み、「ススキノ助成金」の行方をめぐる続報にも注目。事業主体・すすきの観光協会(本部札幌・大島昌充会長)が、助成先を同協会など9団体に限定したことに異論が続出していたが、札幌市は執行済みの1億5千万円と同額を新たに措置することを決定。問題とされていた先の条件が撤廃されることになった。8月中旬の申請再受付を前に、助成金事業の新たな展開を報告する。
本誌が調査報道を続けているヒグマ駆除をめぐる銃所持許可取り消し問題。その舞台である砂川市で養鶏家の自宅敷地内にヒグマが連日出没し続ける事件が起きた。ハンターが発砲できない状況の中、市の担当課は箱罠を設置してクマを捕獲。結果的に人が危害を受けることは免れたが、関係者の間で緊張の糸は張り詰めたまま。「次に出たらどうするのか」。地元では今も銃による駆除ができない状況が続いている。
このほか名和豊春総長(66)解任で揺れる北海道大学にも切り込んだ。文科省の力を借りて名和氏を追い出した北大が得たものは果たして何だったのか。大学内外で解任をめぐる波紋が収まらない中、北大は次期総長選の真っ只中にある。だが、その背後には大学経営をめぐる利権がちらつき生臭さは拭えない。北大は威信を回復できるのか。
「アフターコロナ」で注目されている北海道農業を語るうえで欠かせないJA北海道中央会とホクレン。本号ではそれぞれの団体の新トップにインタビュー。北洋銀行・安田光春頭取や経済界を完全引退する横内龍三氏へのインタビューも併録した。貸金業法違反と出資法違反で起訴されていた偽装コンサル、小林健治氏にこのほど有罪判決がくだった件についても詳報する。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル9月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。
※9月号主要コンテンツ
【報道】
■医療現場で散った命⑩ 看護師パワハラ死訴訟、結審。吃音咎める不適切指導の疑い
■歓楽街の感染防止を目指す「ススキノ助成金」の行方② 撤廃される「9団体優先」
■狩人、銃を奪われる③ 銃不使用の砂川でヒグマ騒動。270kgオス、養鶏場荒らす
■緊急事態、囚われ人にも③ 旭川刑務所で刑務官「陽性」濃厚接触54人、受刑者らも
■総長解任と次期総長選びで揺れる北海道大学。名和総長解任の真相と北大総長選の虚々実々
【ニュース】
■情状酌量の判決でも高裁に控訴したザイコン社の偽装コンサル、小林氏
■「桜」でマルチ勧誘の元役員逮捕、IRめぐる汚職で証人買収疑い
■オークラ札幌が来年9月で閉館、従業員再就職は会社が全力支援
■アパマン平岸爆発現場の向いで建設進むメディカルビル
■新生イオン北海道の新スタイル店舗、統合後初の新店「MV日新店」開業
【新型コロナ】
■現地ルポ・緊急事態宣言が出された沖縄の“いま”
【原発】
■噴火湾をめぐった脱原発キャラバン隊に訊く
【インタビュー】
●JA中央会・小野寺俊幸会長「食糧自給率向上の求めに応える」
●ホクレン・篠原末治会長「高付加価値化で生産者の生活を支える」
●北洋銀行・安田光春頭取「今こそ道内経済を支えていくのが使命」
●経済界を完全引退する横内龍三氏に訊く「企業は自力で発展の芽を」
【医療】
●全面リニューアルオープンした北海道恵愛会の札幌南一条病院
●札幌心臓血管クリニックで注目の「失神外来」がスタート
【企業】
●アイビック食品(札幌市)・コロナ禍で増える外食業界の物販事業を“丸ごとサポート”
【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(60)──ウィズ・コロナ時代を生きる当事者と家族
●“農と食”北の大地から(187)──「㈲当麻グリーンライフ」の歩みをたどる(後編)
●戦争遺産をめぐる旅(62)──新潟県長岡市に落とされた模擬原子爆弾