札幌市中央区南1条西5丁目の「ホテルオークラ札幌」が、2021年9月で営業を終了する。南1条通と西5丁目通の交差点北西角に前身のホテル時代から40年間にわたり営業、街の歴史をつくってきたホテルが役割を終える。「ホテルオークラ札幌」は移転新築する計画を進めている。(写真は、来年9月で閉館する「ホテルオークラ札幌」)
「ホテルオークラ札幌」は、1980年に開業したホテルアルファ札幌」が前身で地下2階、地上15階建て、客室数147室のシティホテル。ホテルオークラの協力を得て、仙台の米穀飼料卸の関兵精麦が開設したもので、その後アルファグループは「トマムタワー」(勇払郡占冠村)の建設など、バブル期の北海道のリゾート開発を牽引、マンション開発でも実績をつくった。
しかし、バブル崩壊後に経営破綻、「ホテルアルファ札幌」は運営を加森観光(本社・札幌市中央区)グループが担ったが、2003年6月15日からホテルオークラ(同・東京都港区)の子会社「ホテルオークラ札幌」に切り替わった。
それから17年、土地建物を所有しているホテルオークラの関係会社、アオイ・インベストメント札幌(同・同)は、前身時代から築40年近く建っている建物の耐震補強や建て替えを検討してきた。しかし、補強工事には多額の資金と8ヵ月の休業期間が必要で、現在地での建て替えでは経営効率の高い事業規模のホテルにならないため、移転して建て替えることを決めた。
土地建物は、東証上場1部上場企業(非公開)に売却することが決定しているが、「ホテルオークラ札幌」の移転用地は現在検討中。新たに土地建物を取得する企業は、現建物を継続して使用するのか、あるいは解体して建て替えるのか、中心部のランドマーク的な建物だけにその行方に関心が集まる。