一般社団法人北海道信用金庫協会(会長・増田雅俊稚内信金理事長)は24日、道内の20金庫の2019年度決算をまとめた。それによると、預金量合計は末残で7兆4755億円、前年度比1・1%増、貸出金合計は3兆2110億円、同1・4%増加した。当期純利益合計は、113億1100万円で同9・7%減となった。当期純利益が増益になったのは7金庫、減益になったのは13金庫だった。(写真は、北海道信用金庫協会が入っている信金中央金庫ビル)
19年度決算は、日銀の低金利政策が続いていることもあって、貸出金利息収入の減少傾向が続いた。貸出金は、住宅ローンなど個人向けは減少したが法人向けが増加したため末残ベースの合計は前述のように1・4%伸びた。しかし、貸出金利息収入合計は496億円で前年度比は額にして3億円、率にして0・7%減少した。貸出金利息収入の減少を補ったのが運用商品の手数料やサービス提供による役務取引等収益、国債等債券売却益。
役務取引等収益は105億円で前年度比2・3%増、2億円増加、その他業務収益も74億円で前年度比72%増、31億円の増加になった。これによって業務収益は、948億4200万円、同2・0%増加した。
費用面では、個別貸倒引当金繰入額が59億円となり前年度比165・9%増、37億円増加したほか、貸出金償却も4億円増えて6億円となり、経常費用全体は807億9300万円、同1・8%増加した。
一般的な企業の営業利益に当たる業務純益は、233億800万円で同27・5%増。最大は39億9600万円の大地みらい(本店・根室市)で、最少は伊達(同・伊達市)の3億2400万円。増益は13金庫、減益は7金庫だった。
19年度決算では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が2月、3月に反映した。貸出金が2月に前年同月比2・5%増加しているが、信金業界にとっては大きな伸びだったという。3月も同1・5%増加しており、20年度に入ってからも貸出増が続いている。金利の下げ止まり感が出ているものの、貸倒引当金など信用コストの増加も懸念され、20年度の信金業界は霧の中を進むことになりそうだ。