アークス(本部・札幌市中央区)の2020年2月期決算は、売上高5192億1800万円、営業利益121億1900万円、純利益68億7000万円となり前期比1・4%の増収、18・2%の営業減益、32・4%の純利益減となった。売上高営業利益率は、前期の2・8%から0・5ポイント低下し2・3%になった。粗利益率は25・2%で前期と同水準。(写真は、ラルズが札幌市北区で展開している「ビッグハウス太平店」)
19年9月1日に宮城県仙南地域を中心にスーパーマーケット9店舗を展開している伊藤チェーン(本社・宮城県柴田郡柴田町)を経営統合したほか、14年6月からグループ最大の経営課題として取り組んできた新基幹システムが、19年10月1日の店着納品分から本格稼働した。当初よりも大幅に遅れたもののグループ共通基盤として情報システムが統一され、リアルタイムでグループ全店舗の販売状況が確認できるようになった。
バローホールディングス(HD、本部・岐阜県多治見市)、リテールパートナーズ(同・山口県防府市)との新日本スーパーマーケット同盟は提携推進委員会傘下の4部会で限定商品販売やスケールメリットを生かした商品調達を行っているほか、バローHDのスポーツクラブ「アクトスWill_G」2店舗をラルズ(同・札幌市中央区)の店舗内に新規オープン、計画を上回る会員獲得があった。「RARAカード」会員は、1年間で約8万人増加して期末に約301万人になった。
新店舗は、19年3月に「ビッグハウスししおり店」(宮城県気仙沼市、ベルジョイスが運営)、同年11月に「スーパーアークス日吉店」(函館市、道南ラルズが運営)、「ユニバース花巻桜木店」(岩手県花巻市、ユニバースが運営)の3店舗を新規出店、同年4月に「ビッグハウス釧路店」(釧路市)を「スーパーアークス鳥取大通店」として新築移転した。その他、ラルズ5店舗、ユニバース2店舗、ベルジョイス4店舗、道北アークス2店舗、東光ストア2店舗の計15店舗の改装を実施、閉店は19年10月の「ベルプラス桜木店」(花巻市)。その結果、期末店舗数は伊藤チェーンの9店舗を加えて345店舗(北海道221店舗、青森県39店舗、岩手県69店舗、秋田県1店舗、宮城県15店舗)になった。
増収だったものの北海道胆振東部地震による売り上げ増の反動減があったほか、人件費、物流費の増加、ポイント競争激化に伴う経費増(前期の69億200万円から76億3800万円に増加)で営業減益になった。減損損失の計上と一部グループ会社の課税所得減少による繰り延べ税金資産の取り崩しで法人税負担が増加、純利益の減少幅が拡大した。なお、現預金は442億5800万円、長短借入金合計は166億7100万円。
21年2月期は、グループ全体で新規出店2店舗、改装15店舗程度を予定しており、売上高5300億円、営業利益132億円、純利益85億円と2・1%の増収、8・9%の営業増益、23・7%の純利益増を見込んでいる。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は見通せないため折り込んでいない。