札幌・大通ゾーンの賑わいを創出してきた札幌市中央区南2条西2丁目にある富樫ビルが、半世紀の役割を終え解体される。同ビルに入っているキーテナントの「ダイソー札幌中央店」が3月22日(日)に閉店、飲食テナントやオフィス、治療院なども3月末ですべて退去して解体は秒読みを迎える。(写真は、キーテナントの「ダイソー札幌中央店」が退去する富樫ビル)
富樫ビルは、地下3階、地上9階建て。敷地面積約202坪(667㎡)、延べ床面積約2561坪(8452㎡)。曲長(かねちょう)富樫商店(以後、富樫商店)が1967年に建設、築53年。地下には「大戸屋ごはん処札幌南2条西2丁目店」など飲食店が入り、1階から5階は100円ショップの「ダイソー札幌中央店」、6階から9階までは企業のオフィスや治療院などが入っている。
昨年7月、同ビルの土地建物所有者である富樫商店が建物解体後に、香港の外資系ファンドに土地を売却する契約を締結。テナントを退去させてビルを解体、更地にするまでを富樫商店が行うことになっていた。
今年に入ってテナント退去の動きが本格化。3月13日(金)で「大戸屋」が閉店するほか22日に「ダイソー」も閉店、その他のオフィスなども既に退去したテナントもあり、3月末には全テナントが退去して空きビルになる予定。
その後、同ビルの解体工事に入り、香港の外資系ファンドが跡地に複合ビルを建設する予定になっているが詳細は不明。なお、「ダイソー札幌中央店」は、南2条通を挟んだ南側にあるパチンコ「ベガスベガス狸小路2丁目店」などが入る「金市舘札幌ビル」の6階に移転、「ダイソー狸小路2丁目店」として4月にオープンすることになっている。
昭和に建設されたビルはどことなく武骨で粗削りな印象を放っており、富樫ビルもその一つだった。大通ゾーンから昭和の面影を残すビルがまた消えていく。