キリングループ北海道地区の2020年事業方針説明会が12日、札幌市中央区の「キリンビール園アーバン店」(アーバン札幌ビル7階)で行われた。キリンビール北海道統括本部や北海道キリンビバレッジ、メルシャンなどの各幹部が各事業方針を発表した。(写真は、北海道地区事業方針会見後のフォトセッション。左から金丸俊憲・キリンビール北海道統括本部長、長廣秀也・協和キリン札幌支店長、櫻井隆・キリンビール北海道千歳工場長、植月哲之・メルシャン北日本支社北日本営業部営業第一支店長、坂謙一郎・北海道キリンビバレッジ社長)
最初にキリングループ北海道地区の20年の事業方針について、キリンビール北海道統括本部の金丸俊憲本部長が紹介。グループ全体で北海道のお客さまに食と健康で新たな喜びを広げるため、CSV(クリエイティブ・シェアード・バリュー=社会と共有できる価値の創造)を軸とした活動を展開していくことが示された。「健康」、「地域社会・コミュニティ」、「環境」、「酒類メーカーとしての責任」の4つのテーマについて、SDGsの17の目標に分けて社会課題の解決に向けた活動を進めていくとした。
その後、同じく金丸本部長がキリンビール北海道統括本部の事業方針を説明。19年は「一番搾り」、「本麒麟」など強固なブランド体系の構築やクラフトビール事業に注力したことが示され、クラフトビールに関しては、1台で4種類のクラフトビールが注げる専用サーバー「タップ・マルシェ」を19年末で全道450店舗に設置したことを明らかにした。
19年の販売実績は、ビール類の国内市場が数量ベースで前年より1%程度縮小した中、キリンビール全社で前年比0・3%増となり2年連続で前年増を達成、中でも「本麒麟」の販売が好調で新ジャンルの販売数量は前年比9・2%増で過去最高となったことが報告された。
北海道では、「一番搾り」の缶製品が前年比3・7%増、「本麒麟」は同40・9%増と全国を上回る実績を残した。金丸本部長は、「『一番搾り』缶製品が2年連続で前年比プラスを達成したことは大きな自信になった」と述べた。
26年のビール類酒税一本化に向けて20年10月に第一段階の改正があり、23年10月に第2段階の改正、26年に一本化されることになっているが、金丸本部長は「全社一丸で強固なブランド体系構築していくため、昨年に続いて主力ブランドへの集中投資、クラフトビール市場の活性化に注力する」と話した。
その上で、「キリンビールは、これまでいかに競合との差別化を図るかに力点を置き、どちらかというとお客さまを見ない会社都合のマーケティングをしてきた。これがビール同質化の一因になっていた。我々自身がビール本来の魅力をお客さまから奪っていた。しっかり反省してお客さまを全ての判断基準に置き、全従業員で強固なブランドをつくっていくことを目指す。今年10月の酒税改正を成長の機会とし、『一番搾り』の缶製品を北海道エリアで3年連続成長を実現、『本麒麟』も3月にリニューアルしてさらなる成長を目指す」と訴えた。
また、クラフトビール市場の活性化のため、タップ・マルシェ設置店を20年末に600店舗に設置することも示した。20年はビール類の国内市場が19年より数量ベースで2%程度縮小する見通しで、キリンビールは全社で0・9%増、北海道では『一番搾り』を全社より高い6%増、『本麒麟』は23・8%増を目指すとした。