OA機器やオフィス家具、ICTシステム、事務用品などを取り扱っている三好商会(本社・札幌市中央区)は、12月20日(金)で小売店舗の「MIYOSHIーYA(ステーショナリーショップMIYOSHI)」(中央区大通西18丁目)を閉店することを決めた。同社の三好康裕代表取締役・オフィスプロデューサーは「小売店舗の閉店は企業発展の新しいステップ」と位置付け、企業向け事業を強化するとともに飲食店運営の強化、新事業の模索も進めるとしている。(写真は、「小売店舗の閉店は企業発展の新しいステップ」と話す三好商会の三好康裕代表取締役・オフィスプロデューサー)
三好商会は、1957年に南1条西12丁目で文具、事務用品などの倉庫兼用店舗を開設してスタートした。65年に南1条西13丁目に移転し、本格的に事務用品の小売店舗を開始。68年に現本社のある大通西18丁目に移り、98年に店舗部分を増築して営業を続けてきた。昨年11月にはリニューアル、ロゴも変更してイメージを変えたが集客には結び付かなかった。
「20年ほど前までは近くの学生が店舗に立ち寄ってくれましたが、コンビニやホームセンターが文具、事務用品の売り場を広げ、プリンターやパソコンは家電量販店で買うようになった。さらに10年ほど前からはネット通販が普及し始め、文具・事務用品のリアル店舗は閉店が相次ぎ始めた」と三好氏は振り返る。
市内で文具店を営業していた「三桜社」や「セントラルソメヤ」などが閉店、「MIYOSHIーYA」も赤字状態が続いていた。「店舗では文具知識能力検定に合格した従業員が説明して買ってもらうコンサルティング販売を行っていましたが、説明を求めるお客も減り、土曜日営業なども重荷になり店舗の役割は終えたと閉店を決断しました」(三好氏)
もっとも、同社の小売事業の売上高は全体(19年6月期約12億円)の3%で経営に大きな影響はないという。
今後は、経営の柱である企業向けオフィスネットワーク事業やオフィスインフラ構築事業などに注力、オフィスのペーパーレス化やフリーアドレス化も積極提案していくという。「小粒な企業ですがデザイナーやITコーディネーターといった人材を揃えており、事務機販売だけではない付加価値を提供して差別化しています」(三好氏)と話し、オフィスに関することは何でも相談に乗る“オフィスコンシェルジェ”を目指すことにしている。
また、飲食事業として「コメダ珈琲店」の「江別店」(江別市)と「苫小牧弥生店」(苫小牧市)の2店舗をフランチャイズ(FC)営業しており、今後はビルインタイプの3店舗目を予定している。さらに第3の事業も模索する。「MIYOSHIーYA」の売り場面積は約58坪(約190㎡)だが、立地環境が良いため閉店後は店舗向けなどに貸し出す予定という。