「ホテルレオパレス札幌」売却、アパート施工不備のツケ重く

経済総合

 アパートの施工不備で財務体質の強化が迫られているレオパレス21(本社・東京都中野区)は、札幌市中央区南2条西8丁目にある「ホテルレオパレス札幌」を売却する。既に売却先は決まっているが非公表。売却日は2019年10月31日で20年3月まではレオパレス21が運営を続ける。(写真は、「ホテルレオパレス札幌」。新館は手前、本館は奥の建物)

 同社は既にホテルレオパレスの「旭川」、「新潟」、「四日市」、「岡山」の土地建物を売却している。今回さらに「札幌」、「仙台」、「博多」の土地建物を売却することにした。

 そのうち「札幌」は、1989年のバブル期に本館が開業、今年で31年目。インバウンドの入り込み増でホテル需要が高まってきたことを受け、2017年10月には新館をオープンさせている。客室数は本館86室と新館の109室を加えて計195室と倍増、受け入れ態勢を整えた。また、18年6月には本館の内装を一新、温浴施設も拡張するなどリニューアルを実施したばかりだった。

 本館と新館を合わせた土地面積は約689坪(2274・81㎡)、建物の延べ床面積は約4259坪(1万4055・24㎡)。売却額は「札幌」、「仙台」、「博多」の3棟合計で160億円。譲渡益は52億8500万円になる。

 同社の国内ホテル事業は、19年3月期で売上高20億6000万円、営業利益は7億6400万円の赤字だった。稼働率は83・1%。今回の3ホテル売却で国内のホテルは「名古屋」のみとなり事実上同事業から撤退する。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER