ココカラファインがマツキヨHDと統合協議開始、北海道のドラッグ市場は変わるか

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 ドラッグストア売上高全国7位のココカラファイン(本社・横浜市港北区)は14日、同5位のマツモトキヨシホールディングス(以下、マツキヨHD、本社・千葉県松戸市)と経営統合に向けた協議を開始すると発表した。統合が実現すれば1兆円規模のドラッグストアトップ企業が誕生するが、北海道のドラッグストア市場では両社が統合しても店舗シェア4・8%にとどまり大きな変化はないもよう。
(写真は、「ココカラファイン狸小路店」=上と「マツモトキヨシ札幌狸小路店」)

 ココカラファインは、19年6月に同6位のスギホールディングス(HD、本社・愛知県大府市)との経営統合に関する協議開始を発表。一方、マツキヨHDとはそれ以前の4月から資本業務提携の協議を始めていた。当初、スギHDは経営統合、マツキヨHDは資本業務提携とアライアンスの組み方に違いがあった。ココカラファインは同社の恣意性を排除するために特別委員会を設置してスギHD、マツキヨHDの提案内容を検討してきた。

 8月7日、特別委員会がマツキヨHDを推したことからココカラファインは中長期的な企業価値向上、株主利益向上の観点から検討を行い、マツキヨHDとの経営統合に向けた協議を開始することにした。

 その理由として、①具体的経営課題の克服には他社と統合することが適切②マツキヨHDとの統合により店舗作業の効率性やプライベート商品(PB)開発で大きなシナジー効果が生じる可能性があることなどを挙げている。ココカラファインは今後、マツキヨHDに経営統合交渉の独占交渉権を付与し、基本合意を締結。両社協議の上で最終契約を締結する意向。

 北海道のドラッグストア市場は、業界1位のツルハホールディングス(HD、本社・札幌市東区)が400店舗、サツドラホールディングス(HD、同・同市北区)が193店舗をそれぞれ展開しており、2社だけで道内696店舗(19年6月末、北海道経済産業局調べ)の85%の店舗シェアがある。

 ココカラファインは11年10月にスズラン薬局を子会社化して北海道に進出、現在は29店舗。マツキヨHDは、札幌市4店舗と北広島市1店舗の計5店舗。統合後は34店舗になるが、道内3位のサンドラッグプラス(本社・札幌市東区)の55店舗にも及ばない。統合による影響は道内では限定的とみられるが、マツキヨHDのPB商品の強みが浸透していけばストアロイヤルティ(消費者の店舗に対する信頼度・愛顧度)が高まり、アインホールディングス(HD、本社・札幌市白石区)の「アインズ&トルペ」(道内18店舗)との競争になる可能性がある。

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