コープさっぽろ2018年度決算、増収減益だが粗利率アップで収益力は向上

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 生活協同組合コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の2018年度(18年3月21日~19年3月20日)決算は、売上高にあたる事業高が前年度0・5%増の2834億3500万円、営業利益にあたる事業剰余金は同29%減の40億9800万円だった。店舗事業の売り上げは伸び悩み、宅配事業の伸びが全体を押し上げたが人件費増などが響き増収、営業減益となった。(写真は、コープさっぽろ本部)

 店舗事業は、期初から前年並みの売り上げを確保するのがやっとで震災後の一時的増加はあったものの、11月の灯油値上げによって組合員を中心に節約志向が一気に高まった。これによって事業高は1889億3600万円で前年度比1・4%減になった。店舗事業は赤字が続いており、18年度も黒字に到達できなかった。ただ、事業高から事業原価を差し引いた粗利にあたる事業総剰余は、前年度より上昇しており収益力は高まっている。

 宅配事業は、堅調な伸びを継続、事業高は867億3600万円で同3・2%の増加で、それによって部門の事業総剰余も伸びた。共済事業は18億5100万円で同4・3%増、配食やトドック電力、文化教室、葬祭などその他事業は59億1200万円で同28・3%増になった。

 全体の粗利にあたる事業総剰余は、同0・2%増の751億2600万円。前年度は、事業高がその前の年度より1・5%伸びたものの事業総剰余は0・2%減だったことを勘案すると収益力は確実に高まっている。

 経費面に目を向けると、給与アップなどによって人件費が前年度より9億9200万円増加、宅配チラシなど販促の物件費も6億1300万円増加、減価償却費なども2億1700万円増加した。これらを合わせた事業経費は同2・6%増の710億2800万円になった。

 これらの結果から、事業剰余金は同29%減の40億9800万円、経常利益にあたる経常剰余金も同29・7%減の35億3700万円になった。事業剰余、経常剰余ともに3期連続で減少した。純利益にあたる剰余金は非公表だが、震災による特別損失12億円を計上したことから大きく減少したもよう。また、16年度からスタートした約350億円の繰越欠損解消に向けた再建計画は、1年遅れの状態で進んでいるという。

 組合員数は、出資金を1000円からとした13年度以降毎年5万人以上の新規加入があり、18年度末は前年度より5万3681人増えて176万2681人になった。出資金は25億4600万円増えて723億7300万円、組合債は12億500万円減少して337億100万になった。組合債が減少したのは、保有者の高齢化により償還期限のない出資金への振り替えが進んでいるため。

 長期、短期を含めた金融機関の借入金は、9億7500万円減少して23憶5100万円になった。三井住友銀行、みずほ銀行、北海道労働金庫の3金融機関と取り引きがある。

 19年度は、店舗事業1912億2600万円(18年度比1・2%増)、宅配事業911億9100万円(同5・1%増)で、全体事業高は2907億5200万円(同2・5%増)を予想する。経常剰余は55億9100万円(同58%増)を見込む。
 設備投資は150億円(前年度は75億円)を予定、既に55億円を投じて江別物流センターを日本生活協同組合連合会から取得して自前化したほか、「中の島店」(札幌市豊平区)の建て替え、「知内店」(上磯郡知内町)の新設、宅配センター4ヵ所設置、基幹系システムの更改に投資する。

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