JR北海道の中島尚俊社長の「お別れ会」が28日、午後1時から札幌市の京王プラザホテル札幌で行われた。交友関係の広さを物語るように午後3時までの間、参列者は途切れず、約3000人が祭壇に手を合わせ冥福を祈った。会の終了後、小池明夫会長は「中島社長を支えることができず忸怩たる思いがある。助けることが出来なかった責任を痛感している」と語った。(写真はお別れ会で献花する参列者と終了後にコメントする小池明夫会長)
お別れ会の会場入り口には、中島社長のJR北海道時代の足跡を刻んだパネル写真18枚が展示され、参列者は快活に笑う中島社長に迎えられて会場へ促された。
遺影を取り巻くように菊で飾られた祭壇は、美瑛の丘と雪の残る大雪山をモチーフにした。会が始まる前に親交のあった札幌交響楽団コンサートマスター、大平まゆみさんによるマスネのタイス瞑想曲の独奏があり、その後参列者は白い菊一輪をそれぞれ献花した。
参列者は途切れず、2階の会場に続く通路には行列ができ、最後尾はホテルを取り巻くまでに膨らんだ。歩道は参列者が作った長い列で一時は通行にも支障が出るほどだった。
参列者には、高橋はるみ知事や上田文雄札幌市長、喜多龍一道議会議長、横山清アークス社長、野口秀夫野口観光社長などのほかJR東日本の大塚陸毅社長、JR東海の須田寛相談役、また残間里江子氏や彫刻家の流政之氏らの姿もあった。
午後3時の終了後に小池明夫会長は、「中島社長には安全に対する強い思いがあった。それを組織の隅々まで浸透させていくことが私たちに課せられた使命。彼の遺志にしっかり応えていく」とあらためて安全を最優先する経営を実現することを誓っていた。