コープさっぽろは、先進的で環境に配慮した農業法人などを顕彰する「コープさっぽろ農業賞」を継続する方向で検討を始めた。8回目となる今年度限りで終了する予定だったが、東日本大震災をきっかけに地域の絆や地産地消、食育の高まりとともに安全・安心を求める傾向がより強くなり農業者と消費者を結ぶ「農業賞」の存続を求める組合員の声が増えてきたため。11月11日に予定されている表彰式で大見英明理事長が農業賞の中止か存続かを正式表明する。
コープさっぽろは、2004年から農業賞を創設し、有機農業や地域の循環農業に取り組んでいる先進的で経営的にも安定している農業法人を表彰し、コープ店舗で取り扱う取り組みを行ってきた。数年前から、漁業部門も取り入れ、コープ農業賞は道内一次産業の振興に一定の役割を果たす恒例イベントに位置づけられてきた。
昨年の表彰式で大見理事長は、農業賞創設の当初の目的を果たしたとして8回目となる今年度限りで終了する意向を示し、別の形で一次産業を支援する体制を取り入れる考えを明らかにしていた。
しかし、今年3月の東日本大震災によって組合員の意識が変化、脱原発に象徴されるように食の安全・安心と持続可能な一次産業を望む声はより強くなっている。
農業賞の実行委員会事務局長の石坂裕幸氏は、「まだ結論には至っていない。8年間の成果もあるので実行委員らでもう少し時間をかけて議論したい」と語っている。
なお、25日に発表された第8回コープさっぽろ農業賞の受賞者は次の通り。
北海道知事賞 えりも高橋牧場(えりも町)
コープさっぽろ賞・農業部門 (有)当麻グリーンライフ(当麻町)、養老牛山本牧場(中標津町)
コープさっぽろ賞・漁業部門 (株)カネテツ谷川水産(佐呂間町)
特別賞・農業 八雲町酪農組合「緑と牛と大地の会」(八雲町)、(株)永光農園(札幌市)
特別賞・漁業 寿都町漁業組合(寿都町)
奨励賞・農業 (株)駒ヶ岳ファーム大久保(函館市)、宇井農場(新得町)、サンファーム斉藤農園(恵庭市)、(株)一戸農場(美幌町)
奨励賞・漁業 オーガニックケルプ(函館市)
農業・漁業交流賞
札幌市長賞 菅野養蜂場(訓子府町)
奨励賞 ふぞろいの北の野菜と果物を応援する会(札幌市)、野付漁業協同組合女性部(別海町)
表彰式と交流会は11月11日に札幌パークホテルで行われる。