今春行われた北海道林業会館の建て替えに伴う共同事業者の選定。西日本鉄道(本社・福岡市中央区)がコンペを勝ち抜きホテル建設が具体化することになったが、そのコンペには北海道新聞社も参加していたという。選定には漏れたものの、にわかに浮上しているのが道新本社ビルの建て替えだ。(写真は、札幌市時計台の斜め向かいにある道新本社ビル)
道新の本社ビルは、大通西3丁目にあり、1963年に北1条通に面した「北1条館」、79年に道新文化センターや道新ホールがある大通公園に面した「大通館」が竣工している。耐震改修工事を施しているものの早晩建て替えが浮上するのは避けられない。
10数年ほど前にも建て替えが一時検討され、2010年に竣工した隣接する北洋大通センターとのジョイント構想もあった。しかし、具体化することはなくその後、建て替え問題はペンディング(保留)されていた。
今回、林業会館のコンペに参加したことで、道新は建て替えに舵を切ったと思われる。ただ、現在地で建て替え期間中の仮本社とするのなら既存ビルを賃借することで間に合うはず。新築ビルのコンペに参加したことは、本社を移すことを前提にしている可能性は高い。
東京の銀座7丁目にある道新銀座ビルはかつて東京支社のほかルイ・ヴィトンがテナント出店していたが、04年から東京支社は移転してヴィトンが全館を賃借。現在は建て替え中で、新築後もヴィトンが賃借することになっている。
道新銀座ビルが一等地なら札幌の本社ビルも一等地にある。札幌駅前に賑わいの中心が移って久しいが、大通ゾーンの巻き返しを図るには道新本社ビルの一角が鍵を握ることは間違いない。“道新銀座ビル方式”でテナントビルになるのか、現在地での建て替えになるのか。