コープさっぽろは9日、札幌市教育文化会館で第46回総代会を開催した。全道各地区の総代など約250人が出席、2010年度決算や役員報酬、11年度予算などの議案を賛成多数で承認した。
11年度の予想事業高は2558億円(前期比3・3%増)、そのうち店舗売上高は1・6%増、1801億円と慎重に見ている。新たに本体に加えた旅行事業などその他部門で37億円の売り上げを計画しており、「経常剰余26億円を確保して前期のマイナスを挽回したい」と大見英明理事長は宣言した。(写真は総代会で昨年度決算などを説明する大見理事長)
承認された10年度決算は、事業高が前期比4%増の2478億円。内訳は、店舗部門1774億円(前期比4・3%増)、宅配688億円(同3・4%増)。
事業総剰余は同5・1%増の567億円のなったものの事業経費が同7・1%増加したため差し引きの経常剰余は同55・6%の大幅減少、10億円にとどまった。
また、特別損失として退職給付引当金繰り入れ損として4億2000万円、減損損失5億4000万円など29億円を計上、その結果当期剰余金は12億円の損失。当期未処理損失は218億円。
事業経費が膨らんだことについて大見理事長は、「新店が多すぎたことと人件費の構造からきている。それらを今年調整し、出店スピードも下げて店舗のスクラップ&ビルドに重点を置く」とした。
そのほか大見理事長が総代会で報告したのは、次の通り。
①札幌市中央区には、かつてコープさっぽろの店舗は9店舗あったが、今はコンビニよりも少し広い植物園店(売場面積289㎡)のみ。札幌市内の店舗を閉めすぎたので今年から出店を検討する。
②3年前からシニアデーを始め、チビッコデーも加えて割引を行っているが、障がい者のサービズテーも今期中に始めたい。
③宅配トドックのポイント還元率は2・5%で100円で1ポイント。店舗の還元率は1・2%で300円で1ポイント。トドックで2万ポイントを持っている人は6000人いるが、3000円の還元では割りに合わないので修正する。トドック利用者は28万人で最大の人は年間427万円を利用してもらっている。
④ホームページからトドックを利用できる『eトドック』の利用者は4万人。しかし、ホームページ画面を7回くらいクリックしなければ注文できないので、9月をメドに2~3回でできるように修正する。
⑤配食サービスは、札幌市内と札幌近郊で2800人が登録、1600人が利用している。病院食、治療食は帯広地区で専用の工場を持って展開しているが、札幌でも今年末に工場を持つ方向で検討、病院食、治療職を始める予定。
⑥移動販売車は、現在は14台走っており好評。人口3000人くらいのマチで、コンビニが一軒しかないようなところでは喜ばれる。夕張で冬に移動販売車を走らせたら、一番売れたのは仏花。地域の特殊なニーズがある。
今年は21台まで増やす。東川町とはJAと一緒に移動販売車を導入する。地域における移動販売車の要請は今後も大きくなるだろう。
その後、総代からの意見表明に移り、ある総代が役員報酬について質問。理事報酬を7000万円以内にする議案について、突っ込んだ中身の開示を求めた。
大見理事長によると、「去年も今年も理事報酬の総額は6144万円にとどめたい。19人の理事のうち4人は常勤で15人が非常勤。常勤4人で4800万円なので1人当たり1200万円、非常勤は1人当たり年間80万円くらい」と開示した。
コープさっぽろは、10年度の売上高が全国生協の中で初の首位になったが、これまで生協発足以来首位の売上高を堅持してきたコープこうべの役員報酬はどうか。
コープこうべの役員は30人。11人が常勤で総額1億5000万円で1人当たり1350万円、非常勤は19人で総額2600万円、1人当たり130万円となっており、コープさっぽろは7~8割の水準という。
大見理事長は、同時に職員の給与で最高額は900万円前後と紹介。「職員にとって夢も希望もないコープさっぽろでは困るので、事業改善を図って適正な水準になるようにしたい」と付け加えた。
それでも第4号議案として提出された役員報酬の議決では、反対4、保留34になった。賛成多数で決定されたものの、他の議案に比べて反対・保留が突出、出席した総代の目は厳しいことを印象付けた。