日本銀行札幌支店は14日、12月の企業短期経済観測調査(北海道分)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業でプラス5、9月と同じだった。2017年3月のDI予測は、マイナス3で8ポイント低下、企業は先行きの景気減速を予想している。(写真は、日銀札幌支店)
企業短期経済観測調査(短観)は、3ヵ月に一度発表される景気指標。今回の調査は16年11月14日から12月13日まで道内製造業116社、道内非製造業368社に実施、回答率は99・8%。
製造業のDIはプラス10で9月時点より1ポイント低下した。その中でマイナス6と9月から9ポイントも低下したのは食料品製造。スルメイカの記録的不漁や農作物の豪雨被害などが景況感に影響した。一方、台風被害の復興事業に関わる窯業・土石製品はプラス29で9月より10ポイントプラス、汎用・生産用・業務用機械もプラス50と同13ポイント増加した。
非製造業のDIは、プラス3で9月より1ポイントの低下。DIが悪かったのは卸売で9月のプラス10からマイナス3に13ポイントも低下した。DIのマイナスが続いている小売は、マイナス11で9月よりは4ポイント上昇したものの依然としてマイナス圏。
大きく伸びたのは、不動産と物品賃貸。不動産は9月のプラスマイナスゼロからプラス24に増加、建機レンタルなどの物品賃貸もプラス36で22ポイント上昇した。宿泊・飲食サービスは、9月時点のプラス12が12月時点でプラス21になると業界は予測したが、実際にはプラス8と逆に4ポイント悪化した。
17年3月の短観予測は、全産業でマイナス3。製造業はプラス1、非製造業はマイナス4になっている。道内景気は減速予想が広がっている。
日銀札幌支店が公表した12月の北海道の短観詳細は、http://www3.boj.or.jp/sapporo/pdf/jikei28/tank201612.pdf