インバウンドが増加している北海道でこれらの客層に特化した飲食店運営を手掛ける道内ベンチャー、グラフィックホールディングス(本社・札幌市中央区)が中国に進出する。札幌などで温浴施設を展開する丸新岩寺(同・同市手稲区)と提携し、中国徐州市で飲食施設付き温浴施設を2017年5月から運営して北海道の食やサービスを提供、北海道ブランドを売り込みインバウンド増加の好循環を構築する。(写真は、グラフィックホールディングスの山本壮一代表取締役)
中国に進出するのは、持ち株会社グラフィックホールディングスの事業子会社ノースグラフィック(本社・札幌市中央区)。同社は、ススキノで600席の飲食店「伝」などインバウンドに特化した飲食店を中心に展開している。
丸新岩寺は、「ほのか」ブランドで知られる温浴施設を札幌市やその近郊、および千葉市で計7施設運営。同社は、中国・徐州市で現地資本が建設している大型リゾート施設「晴朗谷」(チンラングー)に開設される温浴施設の運営を検討していたが、ノースグラフィックのこれまでのインバウンド客受け入れや接客対応などの実績を評価し、連携して進出することになった。
「晴朗谷」は、徐州市の郊外にある約20万㎡の敷地を使ってリゾートホテル、キャンプ場、テニスコートなど「自然」と「健康」をテーマに15の施設で構成される大型リゾート。現在建設中でその中に開設される飲食施設付き温浴施設について、丸新岩寺とノースグラフィックが組んで参入する。飲食施設、温浴施設のほか、プールや物販店の運営もノースグラフィックが担当する。
山本氏は、「北海道に触れてもらい、それをきっかけに日本、北海道に来てもらいたい」と話す。
道内の中小企業やベンチャー企業が、中国などアジア圏にリスクを取って進出するケースはまだ少ない。2社連携による今回の現地進出はマーケットを新たに創造する動きで、後に続く企業が出てくることが望まれる。