道内豪雨災害 共に乗り越えたい

社会・文化

 テレビの映像や新聞の写真で見る豪雨災害は想像を絶する。何度か訪れたことがある南富良野の道の駅は、空知川の氾濫で大きな被害を受けた。被災された多くの方々がその時に感じた恐怖を思うと心が揺さぶられる。あらためて被災した方々にお見舞いを申し上げたい。P1090106(写真は、台風10号の被害を伝える毎日新聞と北海道新聞)

 短期間に3つの台風が上陸し1つの台風が接近して50年、100年に一度と言われる豪雨に襲われた北海道。決壊した堤防から溢れ来る川は、まるで津波のようにすべてを呑み込んでしまいそうな魔物のようだ。いたるところの土砂をえぐり取り、泥と流木をまき散らしてゆく傍若無人な魔物が静まるのを待つしかなかった。

 地域に住む人たちが営々と築き上げてきたその土地固有の風土や精神を根こそぎ浚(さら)っていく猛威。その被害は過去に例がないほど甚大だろう。道路や橋、鉄道、電気、ガスなどのインフラ、農作物、工場、家そして何よりも大切な人の命を奪い去っていった。日常が戻るまでにいったいどのくらいの歳月が必要なのだろう。

 農作物は、文字通り土地の風土が織りなす自然の恵み。出来秋を目前にしてその恵みが自然によって奪われた。人の知恵と努力では報われないことがある農業の現実に言葉がでない。

 豪雨災害が収まらない中で、季節は秋に向かう。被災地の山は紅葉し、やがて雪が舞う。季節は災害の傷が癒えるのを待ってくれない。しかし、それは乗り越えていく心情を育む自然のリズムかもしれない。きっと良くなる、そう信じたい。

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