根釧の“観光力”を磨く、大地みらい信金100周年事業の一環

金融

 大地みらい信用金庫(本店・根室市)は、2016年に創業100周年を迎えることから記念事業の一環として、根釧地域の自然や歴史を生かした着地型観光の底上げを図るネットワークづくりを始める。あまり知られていない道東の魅力を発信するとともに受け入れサイドのガイド力向上などホスピタリティを磨く場にもしたい考え。IMG_0699(写真は100周年を迎える大地みらい信金本店=根室市梅ヶ枝町)

 大地みらい信金は、2012年12月に道東の食をテーマにした「KOSEN(根釧)魅力創造ネットワーク」を設立、道東の海産物や農畜産物の販路拡大、高付加価値化に事業者や関係機関とともに取り組んできた。
 設立3年を経て食関連では一定の成果が出ていることから、1916年5月に有限責任根室信用購買販売組合として発足してから創業100周年を迎える16年は観光を軸にしたネットワーク組織を立ち上げることにした。
 ただ、「KONSEN魅力創造ネットワーク」の場合もそうだが、同信金はあくまで繋ぎ役に徹し、多方面に及ぶ観光関連事業者、団体、行政、研究機関が一堂に会するプラットフォームづくりをバックアップする。
 
 根釧地域には国立公園が3ヵ所、ラムサール登録湿地が網走の濤沸湖を入れると7ヵ所もあって、亜寒帯に近い気候から日本で見られる野鳥約650種類の半分以上が観察でき、イギリスやオーストラリアのバードウォッチャーが毎年1000人近く訪れている。また、7000年前の縄文早期から後期に至るまでの遺跡のほかアイヌのチャシ群跡は日本100名城にも選ばれている。
 
 こうした地域資源を活用した体験型観光、エコツーリズムを呼び込むため、新たに作るネットワークでは外国語の話せるガイド養成などホスピタリティレベルの向上への取り組みを行っていく考え。野鳥観察や湿原の案内、遺跡群の紹介など専門的なガイド養成を想定しており、既に根釧地域に魅力を感じて移住している生態系観察の専門家の人たちの協力も得ていく。
 大地みらい信金の遠藤修一理事長は、「一時的な盛り上がりではなく、手つかずであまり知られていないところを整理編集して発信、感動してもらうために安定的に地元の魅力を伝える力を地域として養っていきたい」と話している。

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