民間の分譲マンション管理で道内首位のMMSマンションマネージメントサービスが、今春から公営住宅の指定管理者に選定され、札幌市営住宅や道営住宅の管理業務を始めた。民間分譲マンションの建設が今後頭打ちになってくるのを見越して、公営住宅での管理業務を新たな柱に位置づけ、積極的に受注していく考え。
同社が今春から指定管理者に選定されたのは、北区と手稲区の札幌市営住宅と苫小牧市の道営住宅で総戸数は約7000戸。故障箇所の修繕工事や入退居管理、敷地を含めた設備メンテナンスなどを主な業務にしている。指定管理の受託期間は4年間。
公営住宅の管理業務は、これまで市や道の出資団体が請け負ってきたが、効率性や機動性の面で民間に開放する取り組みが進んでいる。今後も、函館や小樽などの公営住宅でも管理業務に指定管理者制度の採用が見込まれるため、同社は今回の受注を機にノウハウを磨いて指定管理者選定で重視される実績を積み重ねていく方針。
堂守貴志社長は、「分譲マンションにこだわらず公営住宅を含めてそれぞれの地域でどんなサービスが出来るのかを考えていきたい。地域に特化したビジネスを生み出していく」と言う。
同社は設立24年目でマンション管理業務では道内の草分け的な存在。年間売上高は約30億円で経常利益率は10%台を確保、毎期利益を積み上げて内部留保は約20億円と厚い。自己資本比率も50%を超えている。
同社が管理しているマンションの道内全物件について設備の履歴情報をデータベース化しており、老朽化した設備や建物の修繕提案、資金計画などについてもアドバイスできるサービス体制を整えている。新しく建てることよりもいかに長期間に亘り安全で安心して使っていくかということに住民らの関心は移ってきており、こうしたニーズを満たすことが出来るデータベースを使ったサービスは同社の競争力の源泉になっている。
(写真は、MMSマンションマネージメントサービス本社が入居する自社ビル)