パン製造販売のフーズアンドブレッド(本社・札幌市西区)は、道産小麦の外皮を利用した「ふすまパン」を首都圏の生活協同組合連合会コープネット事業連合向けに販売する。同連合が行っている宅配のカタログに同社の「ふすまパン」を掲載、注文に応じて供給する。「ふすまパン」は糖質削減が必要な糖尿病患者などに健康志向のパンとして市場が広がっている。(写真は、フーズアンドブレッドの横田淳一社長)
フーズアンドブレッドは、牛乳パンや大豆パンといった健康パンなどを道内の病院向けに販売したり、一般のパンを卸販売しており年商は3億3000万円(2015年3月期)。
同社の手掛ける「ふすまパン」の原料は道産小麦の外皮。江別製粉(江別市)が道産小麦を精製した後に出る外皮(ふすま)をツカモトミルズ(札幌市)に委託して粒度を調整、それを原料にパンを仕上げている。
「ふすまパン」の多くは、鳥越製粉(福岡市)のミックス粉と呼ばれる原料を使用しているが、フーズアンドブレッドは、独自製法でふすまを膨らませてパンにする技術を開発、これまで市場開拓を進めてきた。
今回、首都圏の1都7県が加入しているコープネット事業連合の宅配カタログに同社の「ふすまパン」がお届け商品のひとつとして掲載されることになり、首都圏向けに本格的に供給を始める。
同社の「ふすまパン」は通常のパンに比べて糖質が80%近く削減されておりカルシウムやマグネシウムなど必須ミネラル成分が多く含まれている。このため、糖質を控えなければならない糖尿病患者や健康管理をしなければならない人、また骨粗鬆症の予防などにも利用が広がりそう。
フーズアンドブレッドの横田淳一社長は、「今後、『ふすまパン』は健康志向のパンとして市場の広がりが期待できる。行く行くは首都圏で小規模な工場設備を整備していくとともに、海外向けの冷凍生地輸出も手掛けていきたい」としている。