北海道の秋の味覚を集めて大通公園を会場に行われている「さっぽろオータムフェスト」の運営管理代理店に電通北海道とADK(アサツーディ・ケイ)の2社が新たに加わることになった。2015年のオータムフェストは、期間が7日間増えるほか会場も新たに西4丁目が加わる。これによって西1丁目から西11丁目まで8会場を札幌市内7広告代理店が分け合うことになる。(写真は、昨年9月12日のさっぽろオータムフェスト2014年の開会式)
オータムフェストは、2008年から秋のイベントがなかった札幌市などが広告代理店に呼びかけて大通公園を会場にして始まった。呼びかけに応えた代理店は、ノヴェロ(本社・札幌市中央区)、ピーアールセンター(同・同)、北海道博報堂(同・同)の3社で、当初は大通西5丁目をピーアールセンター、西6丁目を北海道博報堂、西7~8丁目をノヴェロが担当する形だった。
1回目が好調だったことから札幌市と札幌観光協会は実行委員会主催で継続して実施する方向に舵を切り、会場を運営管理する広告代理店を同実行委がプレゼンテーションによるコンペで選ぶことに決めた。契約期間は3年間で、最初の3年間はこの3社が選定され2012年の更新時も3社が同じ会場の運営管理を担うことになった。
14年の7回目からは、西1丁目会場と西10~11丁目会場が新設され、西1丁目は前年から時期がずれて行われていたドイツビールとドイツ料理を味わえるオクトーバーフェストを運営管理していたウエス(同・同市西区)が引き続き担当、西10~11丁目はニトリパブリック(同・同市北区)が担当した。
実行委は、昨年のオータムフェストの来場者が200万9000人で市内の経済波及効果も413億円と「さっぽろ雪まつり」と匹敵する規模になったことを受け、15年の8回目は会期を7日間延長して9月11日~10月4日の24日間とすることを決めたほか新会場に西4丁目を加えることにした。
15年は運営管理の契約更新時に当たるため、西1丁目会場(ウエス)を除いて実行委が昨年12月に向こう3年間の運営管理を任せる代理店のコンペを実施、24日に正式に決まった。それによると、西4丁目は電通北海道、西5丁目はピーアールセンター、西6丁目北海道博報堂、西7~8丁目ノヴェロ、西10丁目ニトリパブリック、西11丁目ADKとなった。
ある代理店のトップは、「オータムフェストは首都圏や海外からも注目される秋の味覚イベントに成長した。足下の広告が振るわない中でイベントの運営は我々業界の期待できる収益源でもある。オータムフェストでのノウハウを基に本州各地の商業施設でご当地グルメフェアなどを手掛けて欲しいと言うオファーも来ている」と語る。ちなみに電通北海道は、これまでオータムフェストに連動して行われているJR札幌駅南口のサツエキグルメの運営管理しか行っていなかったが、15年からはメーン会場とも言える大通西4丁目をゲット、独立系では道内トップ代理店の面目躍如といったところだ。