札幌商工会議所は、女性の活躍を積極的に推進する企業と頑張る女性従業員を応援するため「札幌なでしこ表彰」制度を創設、昨年12月に第1回の受賞企業と従業員を選定し表彰した。札商では本表彰制度を機に女性が活き活きと働ける環境を整備する中小企業が市内に増えていくことを期待している。(写真は、「札幌なでしこ表彰」を受賞した企業と従業員及び札商副会頭ら)
少子高齢化が進む中で女性の活躍が企業や社会の活力に繋がると期待されている。しかし、実際には女性が社会で働くには企業側の環境整備が十分に進んでおらず、一部の大企業を除けば女性の積極的な登用や結婚・出産後の職場環境は殆ど整備されていないのが実情だ。
札商が会員の中小企業約3200社を対象に女性の活躍に向けた取り組みをアンケート調査したところ、「取り組んでいる」と答えた企業は3割弱で「特に取り組んでいない」とした企業は6割弱に及んだ。女性が活躍できる社会づくりには企業の意識改革と環境づくりが欠かせないことがアンケート調査からも窺える。
札商では女性の起業やキャリアアップ、復職を目指す女性を支援する事業に力を入れており、昨年、中小企業における女性の活躍をさらに推進するため「札幌なでしこ表彰」制度を創設した。女性を積極的に登用している企業、女性の活躍により業績を伸ばしている企業、また実際に現場で活躍している従業員を表彰するもので、昨年8月12日から9月30日までの期間に市内の企業から応募を募り、池内和正丸ヨ池内社長を座長に札幌市男女共同参画センター、札幌市、札幌大谷大学、他民間企業の役員など全7名により構成される選考委員会で審査を行った。
独自に設けた選考基準によって第1回表彰に輝いたのは、企業部門が「(株)コスモメディア」、「(株)札都」、「(株)札促社」の3社で、従業員部門は、出版・情報サービスの(株)コスモメディアporoco事業局長・poroco編集長の福崎里美さん(同9年4ヵ月)、自動車販売・整備業の日免オートシステム(株)、メンテナンス統括課長、福田由紀さん(同12年5ヵ月)、酒造業の田中酒造(株)研究開発室主任の岡部央さん(勤続4年6ヵ月)、土木・除雪業の(有)松井商事CSR担当川西瑤実さん(同8年10ヵ月=通算)、旅行業の(株)北海道宝島トラベルのインバウンド事業部統括マネジャー、本間友紀さん(同3年3ヵ月)の5人。12月4日には、市内のホテルで表彰式が行われた(表彰された従業員の勤続年数は表彰式時点)。
企業部門は、女性の視点や感性を取り入れて市場を開拓している企業、結婚・出産後も長く働き続けられる職場環境づくりに工夫を重ねている企業が選ばれ、従業員部門は、女性ならではの視点や感性を最大限発揮して業績拡大やイメージアップに寄与している女性従業員が選ばれた。
(札幌なでしこ表彰式では、岩田圭剛副会頭が受賞者に賞状を手渡した=写真)
札商では、「中小企業でも女性の登用や活躍が進む一助になるよう受賞した企業や従業員を様々な機会でPRしていく」(広報)と語っている。今後も札商では活き活き働く女性を応援する各種講演会など支援事業を積極的に展開していく予定である。