札幌の大通公園に面した大通西3丁目に新築された明治安田生命札幌大通ビルが間もなく竣工する。大通公園側の壁面には、旧ビル時代と同じように気温や時刻の電光表示版が設置され、通常のオフィスビルでありながら都心の憩いを演出する工夫を凝らしている。(写真の右が完成した明治安田生命札幌大通ビル、左は雪まつりに向けて準備が進むイベント用仮設の骨組み)
旧明治安田生命札幌大通ビルは、1971年に旧明治生命が建設したオフィスビル。2004年に安田生命と合併して明治安田生命の関連会社が所有するビルになったが、老朽化が進んでいたため13年4月から旧ビルを解体し同年12月から新ビルの建設工事に入っていた。
旧ビルは、建築面積が新ビルよりも小さく地下1階、地上13階建ての、間口は広いが奥行きがあまりない屏風に近いようなビルだった。ただ、このビルがあるのは、大通公園と駅前通が交差する四つ角で人目を引くため旧明治生命ビルの時代から大通公園側の壁面に電光時計と温度によって目盛の役割をするために取り付けられた電球が点灯する温度計が設置され70年代や80年代に掛けてはおしゃれなオフィスビルとして都心の賑わいを盛り上げる役割を果たしていた。
建て替えられた新ビルは、東側隣接地を敷地面積に加え旧ビルよりもひと回り大きくなった。延床面積約8300㎡で高さ約60m、地下1階から2階までは商業店舗が入り、3階から14階までが賃貸オフィスなどになる。
新ビルの大通公園側の壁面には旧ビル時代のコンセプトを活かして、電光時計と温度計が設置された。温度によって目盛表示が上下するスタイルはアレンジされて踏襲されている。13日からの週は竣工に備えて試験点灯が繰り返された。
新ビル地下の一角には、ドトールコーヒーが開店準備を進めており、1月中には新ビルが竣工し電光表示も新たな歴史を刻み始める。
(写真は、新ビルに復活する電光表示)