札幌証券取引所は27日、札証上場している中道リース(本社・札幌市)の個人投資家向け会社説明会を開催した。同社の関寛社長が経営概況を説明、新規受注額を年率5%増とし2015年12月期には360億円の売上高を目指すことを明らかにした。個人投資家など約80人が熱心に耳を傾けた。(写真は、身振り手振りを交えて講演する関寛社長)
同社は、リース事業と割賦事業を2本柱に金融や商業施設等の不動産賃貸(スペースシステム事業)を展開し、13年12月期決算は売上高317億6400万円、経常利益5億6500万円、純利益3億1200万円を計上している。地域別では道内が45%、本州が55%で11年3月の東日本大震災以降、東北をはじめ本州事業のウエートが高まっているという。
リース、割賦の中で40%近い比率を占めるのがトラック、バスなど大型車で中でも力を入れているのが観光バス。「東京支社にバス事業特販担当の部署を設置しており、西日本での営業活動をしている。バス事業で全国展開を考えている」と関社長は強調した。20%強を占める建設関連機械では1台3000万円する積み込み機械(ホイールローダ)などが中心で、最近のトピックとして1台8000万円の露天掘り石炭積み込み用機械を道内企業にリースしたことを紹介した。
スベースシステム事業では郊外複合商業施設や都市型小型店舗開発などを手掛け、現在の施設数は58ヵ所、店舗数は144店舗に及んでいる。
関社長は「リース市場はかつて全国で10兆円の市場があったが、会計制度変更で10年には4兆円台に半減した。しかし、11年からプラス傾向になり13年は5兆円台に復活し、当社もこの流れに乗って年率5%成長を果たす」と話した。
同社は06年に札幌北洋ホールディングス(現北洋銀行)を引受先に優先株265万株を発行、順次取得して償却しているが現在でも108万株が残っている。説明会後には出席者から優先株消却についての質問が出て、関社長は「できるだけ早く取得して償却したい。そのうえで既存株主に利益還元したい」と語っていた。