北雄ラッキー(本社・札幌市)は20日、公正取引委員会から下請法違反の勧告を受けた。同社は自社店舗で販売する鍋用材料セットなどを事業者に委託していたが、委託した事業者から月次リベート(割戻)分や本部手数料などを差し引いた代金を支払っていたことが下請法違反と判断された。同社は製造委託していた20社の下請け業者に昨年10月から今年3月まで差し引いていた代金約1700万円を7月24日までにすべて返還した。
食品スーパーでは、NB(ナショナルブランド)商品やPB(プライベートブランド)商品などが販売されているが、NB商品については納入業者から一定額の販売奨励金(リベート)が支払われるのが一般的。実際には、支払う代金からリベート率を差し引いて支払うことでリベートを受け取る形になる。
PB商品か一般的な商品かの線引きは難しいが、北雄ラッキーは一般的な商品に「ラッキー」のシールを貼付して販売、そのシールの貼付を製造業者に任せていたため公取委はその製造業者が下請けに当たると判断、リベートを差し引いた代金を支払っていたことは下請法違反にあたるとして勧告を受けた。シールを貼付していたのは20業者で、玉ねぎやリンゴの詰め合わせなどもあった。
下請法では、下請け業者に商品の製造を委託する場合に支払代金を減額することを禁じており、リベートなどを差し引いた代金を支払うのは下請法違反にあたるとされた。
北雄ラッキーは、「取引先と取り交わした契約書に基づき商品取引を行ってきたが、下請法についての理解が不足していた。今回の勧告を真摯に受け止め勧告内容を役員及び全従業員に周知徹底するとともに下請法遵守に関する社内研修を実施するなどコンプライアンス意識の向上と再発防止に努める」とコメントを出した。
公正取引委員会の発表リリースは、http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h26/Aug/140820.html
北雄ラッキーのコメントリリースは、http://www.hokuyu-lucky.co.jp/ir/info_pdf/20140820info.pdf