札幌市議会は2日、2013年度に議員報酬と(月額86万円)は別に調査研究のため各会派に支払われた政務活動費の収支報告書とすべての領収書コピーを公開した。調査研究と言っても実態は事務所費や人件費、上部組織への委託費が大半を占め、政務務活動を支える間接経費に使用されている。08年度から1円以上の領収書コピー貼付が義務になり透明性が確保され使わなかった分は市に返納されるが、市民目線から見て議員特権と思える支出は数多い。(写真は、議会図書室で政務活動費の領収書コピーを閲覧する北海道市民オンブズマン連絡会議の橋本勝三郎代表監事=右と茶木一圀理事)
13年度の交付総額は前年と同様の3億2640万円。議員1人当たり月額40万円で、実際に使用されたのは3億827万円。執行率は94・4%で12年度より2・7ポイント上昇した。
支出の内訳は、「広報広聴費」が1億342万8950円で事務所職員などの「人件費」7575万2150円、事務所の家賃や光熱費などの「事務所費」5506万2320円でこれら3大用途が70%強を占める。領収書のコピー枚数は9849枚で12年度の1万80枚より231枚減った。個人情報保護の条例等に基づき支出先を黒塗りにした領収書は約1割で12年度よりも減っている。
市民目線から見て疑問があるのは事務所費のうち「お茶代」や「トイレットペーパー代」「ごみ袋代」などへの支出。こうした日用品購入と調査研究の関わりは曖昧だ。また、民主党・市民連合のように資料作成や広報広聴費として上部組織である民主党札幌に2000万円強を丸投げしているケース、自民党では議員個人が毎月一定額を上部組織に所属すると見られる個人に支出しているケースなどがあって具体的にどう使われたかは不明だ。
政務活動費の公開に合わせて閲覧に訪れた市民団体「北海道市民オンブズマン連絡会議」の橋本勝三郎代表監事は、「本来なら横ばいか縮減されるのが当然なのに12年度より政務活動費の支出が900万円近く増えたのは何故なのか。その理由を明確にして市民に説明することが議会には求められる」と話したうえで、「7月から来年4月まで5%、2万円減額して議員1人当たり月38万円にすることを議会は決めているが、市債残高は1人当たり90万円強もある。減額幅を12・5%、5万円にして月35万円することを求めたい」と指摘した。
14年1月現在の政令市市議会議員1人当たり政務活動費は、札幌市が40万円で6番目。38万円になると神戸市と並び、35万円まで減額すると仙台市や北九州市、福岡市と並ぶことになる。
13年度の政務活動費の収支報告書や領収書コピーは市役所15階の議会図書館で平日の午前8時45分から午後5時15分まで閲覧することができ、領収書コピー以外は市議会ホームページにも公表している。http://www.city.sapporo.jp/gikai/html/seimukatsudouhi.html