大型ショッピングセンター「ウイングベイ小樽」を所有運営する小樽ベイシティ開発(本社・小樽市)の土地が、小樽市から2月10日付で差押えされた。固定資産税の滞納によるものと思われるが、市は「守秘義務があり滞納額等は言えない」としている。(写真は、ウイングベイ小樽)
小樽ベイシティ開発は、旧マイカルグループなどが出資して設立され、小樽築港地区を再開発、1999年に大型商業施設「マイカル小樽」としてオープンした。しかし、旧マイカルが民事再生法を申請して事実上破綻したことから、小樽ベイシティ開発も連鎖して民事再生法を申請、再建を進めることになった。
その後、2003年3月に施設名を「ウイングベイ小樽」に改めて再スタートを切ったが、同年9月に小樽市はウイングベイ小樽を差押えした。固定資産税の滞納によるものとされ、当時は滞納額と延滞利息を合わせて約15億円にのぼるとされていた。
小樽ベイシティ開発は、07年8月に債権を減免するため札幌地裁に特定調停を申し立てた。小樽市はこの特定調停によって同年9月、差押えを解除している。
その後、イオン北海道など他の債権者との特定調停は合意に至らず09年に特定調停は取り下げられた。「ウイングベイ小樽」は、事実上の破綻状態で経営は続けられてきたが、消費環境は好転せず4階フロアの両サイドは空きフロアの状態が今も続いている。
そうした中、市は2月10日付で1回目の解除から10年ぶりに再び差押えを実行した。差押えが登記されても施設の営業は続行できるが、市は差押さえた不動産を公売によって売却、滞納した税金にあてることも可能だ。
いずれにしても小樽市の差押さえは、再建が宙ぶらりん状態だった「ウイングベイ小樽」を3回目のリセットに導くきっかけになりそうだ。