アークス2月期「順調な航跡」、増税の逆風に揺るがぬ巨艦

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 アークス(本社・札幌市中央区)の2015年2月期連結決算は、売上高4703億1000万円で前期比3・5%増え過去最高になった。営業利益は127億1200万円で同5・4%減少、売上高営業利益率は2・7%で前期よりも0・2%落ちた。DSC_6386(写真は、アークス本社=手前の建物。奥はラルズの本社)

 昨年9月に同じ共同仕入れのCGCグループで以前から交流のあったベルプラス(岩手県盛岡市)と経営統合したほか、イワイ(札幌市中央区)が担当していた酒販事業をラルズ(同)に移管、ユニバース(青森県八戸市)が子会社化していたリッツコーポレーション(福島県会津若松市)を吸収合併するなど、スケールメリットを活かした商品や資材調達、新たな販売チャネルの開発など新規事業の研究にも取り組んできた。
 
 新規出店として昨年7月「スーパーアークス室線中央店」(ラルズ運営)、12月「スーパーアークス大縄店」(道南ラルズ運営)をオープン、そのほかユニバースが5店舗の移転新築、1店舗の改装を実施した。閉店は、6月の「ラルズプラザ札幌店」と「ラルズマート札幌店」(ラルズ運営)、10月の「フクハラ広尾店」(福原運営)の3店。
 
 昨年8月以降、東北地区へ展開してきたアークスRARAカードは、総会員数が15年3月末で257万人を超えている。こうした東北地方のポイントカード会員の大幅な増加やポイント使用実績から将来使用される予想額を見直し、ポイント引当金繰り入れ額として60億5300万円計上、前期よりも20億5400万円増やした。このため、営業利益、経常利益(142億9000万円)はそれぞれ前期比で5・4%減、2・7%減となった。
 
 純利益は、ベルプラス統合で買収価格より資産価格が上回ったため「負ののれん発生益」24億7500万円などを特別利益に計上、前期比48・6%増の94億7500万円になった。
 なお長短借入金は134億4000万円で9億7000万円増加、現預金は341億4000万円で93億1700万円増加した。
 
 16年2月期は、小商圏マーケットに向けた小型店出店を開始するなどグループ全体で新規出店7店舗、移転新築2店舗、改装8店舗程度を実施、ベルプラスの業績が通期で寄与するため売上高は7%増、5030億円、営業利益は10%増の140億円を見込む。なお、15年2月末の店舗数は北海道204、青森県36、岩手県69、秋田県2、宮城県8で合計319。

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