2025年6月9日、手稲山口で今年始めて30℃を超えた札幌市。風があって炎天下というほどではなかったが、いつもよりは、暑さを実感する1日だった。そんな中、しつこく残る冬の名残りと向き合うブルドーザーがいた。(写真は、上篠路地区雪堆積場で雪をならすブルドーザー)
北区篠路町の上篠路地区の雪堆積場。冬場には、雪を満杯に積んだトラックがひっきりなしに出入りしていたが、今はその喧噪もなく、遠くに手稲山を望むこの地には、静寂が訪れている。132万立方メートルという、想像できないような雪が集まってできた小高い丘は消え、黒みがかった雪が、地面を頑固に覆っている。
そんな中、1台のブルドーザーが行ったり来たりを繰り返して、しつこい雪を薄く引き延ばしていた。ぬかるむ雪に重さが耐えらず、立ち往生してしまうのではという思いを跳ねのけるように、ブルドーザーは雪上を活走する。その操作術は職人技そのもの。雪を積み上げるより、雪を薄くする方が難しいに違いない。雪が消えるまで、もう数日というところか。この時期ならではの風物詩も、間もなく終わる。