留萌市が学校給食センターをコープさっぽろに譲渡、両者間で「くらしを支える食の相互協定」

社会・文化

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、留萌市から学校給食センターの譲渡を受け、市内の小中学校生徒の学校給食の提供を始める。両者は、「くらしを支える食の提供に関する相互協定」を締結、センターを活用して、市内の幼稚園向け給食や高齢者向け配食などのほか、市が進めているスポーツ合宿向けの食提供なども行う。また、地元食材の活用も進める。(写真は、コープさっぽろと留萌市の「くらしを支える食の提供に関する相互協定」締結式。左から、留萌市・中西俊司市長、コープさっぽろ・大見英明理事長)

 コープさっぽろは、これまで様似郡様似町や上川郡愛別町、苫前郡初山別村の小中学校に給食を提供してきた。これら自治体は、以前から学校給食がなかったため、いわゆる学校給食法に基づく学校給食の位置付けではなく、スクールランチとして提供。今回は、留萌市が、学校給食センターを通じて学校給食を提供していたため、コープさっぽろは、各学校に配置されている栄養教諭と連携して、学校給食法の枠組みを承継、初めて学校給食法に基づく給食提供を行う。

 これに先立ち、市は、学校給食センターの土地建物をコープさっぽろに1億5300万円で譲渡、調理員15人も移籍した。給食センターは、2000食対応の設備だったが、少子化により、現在は1100食(小学校5校、中学校2校)の提供にとどまっており、運営コストの上昇が課題だった。コープさっぽろは、給食センターの譲渡を受けることで、このセンターを活用、学校給食以外にも幼稚園給食、配食、高齢者施設向け食材提供、稼働率を上げることで、給食センターの採算を向上させる。

 各学校の配送には、移動式の加温庫や冷蔵ボックスを搭載したトラックを利用、各教室まで加温庫を運び込んで温かい状態で提供する。食物アレルギーにも対応、アプリで保護者の同意を得て、代替え献立も用意する。また、給食費の回収代行も行う。

 2025年3月27日に両者は、コープさっぽろ本部で「くらしを支える食の提供に関する相互協定」を締結した。中西俊司市長は、「学校給食センターの今後の在り方を検討してきた中で、コープさっぽろと連携を取ることができるようになった。学校給食を充実させていき、今後は、子育て支援、高齢者支援にも協力をいただければと思う。食を通じてコープさっぽろと連携しながら、さまざまな地域課題を解決していきたい」と話した。

 コープさっぽろの大見英明理事長は、「学校給食センターが築30年を超えている自治体が、道内には35%ほどあり、更新期に入って行政負担が増している。コープさっぽろは、多方面への食提供や自前物流もあって、スケールメリットを出せる。留萌市との協定をモデルケースに、行政要請があれば対応したい」と話していた。

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